暖かな日がさすとても良い天気の日。こんな日に執務室にこもるのはもったいないとばかりに
ルヴァは外に出る。元々、故郷の星は砂漠の惑星なので砂嵐が日常という環境の中で育った彼に
とっては、こういう穏やかな天気の日は貴重に思えてしまうのだ。そんな彼の傍らにあるのが
本と言うのがこの人らしいと言えばこの人らしい。
「良い天気ですねぇ……」
適当に公園のベンチに腰掛け、パラパラと読みかけの本に目を通す。本を読むことで新しい
知識を取り入れることが何よりも楽しいのだ。気がつけば、食事を抜くこともしばしばである。
一度、倒れてしまい、ジュリアスのお小言をいただいたと言う噂は余りにも有名である。
『その辺があんたらしいと言えば、あんたらしいよね』
オリヴィエの言葉。性格が大きく違っているわりには…というより、違ってるからこそうまが
あうのか、ルヴァとは仲が良い。もっとも、その時のルヴァには笑ってごまかすことしかできな
かったのだが。
暖かな日差しのもとで本を読む、それはとても穏やかでルヴァにとっては最高の午後の一時。
最近はゼフェルのやんちゃぶりに振り回されていたこともあり、本を読むのにも熱が入る。
「ルヴァ様」
だから、最初ルヴァはその存在に気づけなかった。鈴の音のような可愛いソプラノの声が降って
きたことも。
「ルヴァ様!」
二度目のその声で慌てて、ルヴァは顔を上げる。すると目の前にいるのは一人の少女。逆光に
なっているので顔は見えない。
「あの…あなたは……?」
あったこともない少女のはずだった。なのに…どうしてか、懐かしい。不思議な感覚。戸惑う
ルヴァに少女はクスクス笑う。その笑顔も知っている気がする。
「行きましょ、ルヴァ様」
そう言うと、少女はスカートを翻して、駈けてゆく。
「あ…待ってください!」
そう声をかけた時にはすでに遅く、少女の姿は見えなくなってしまった。まるで、その場に
いたことすらが、夢のように……。そして、少女がいた場所には一輪の花、オリヴィエに手渡
された花だけが落ちていた……。
謎の少女出現(笑)。まぁ、すぐにわかると思うのですが。
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