| レヴィアスとその後、食事をして、とりとめのない会話をして、自宅まで送ってもらった。帰宅すると、シャワーを浴びる。 「ん。すっきりした」 バスタオルを身にまとって、鏡に向かう自分の表情にもう迷いはない。 (…レヴィアスはやっぱり大人なんだなぁ……) 自分の不機嫌な態度を叱るわけでもなく。なだめるわけでもなく。機嫌をとるようなこともしない。最も、そうする必要が ない第三者だからということもあるだろう。アンジェリークが芸能界で生き残ろうと、残るまいとレヴィアスには関係のない ことなのだ。それでも、話を聞いてくれるだけで嬉しかった。今まで知るどの大人たちよりも信頼できる人物だった。 「頑張りますか!」 鏡の中の自分にそう言って、気合を入れる。負けないために。自分の足で立ち続けるために……。 「おはようございます」 翌日、とある歌番組の収録のためにスタジオ入りしたアンジェリークは元気よく挨拶をする。気持ちよく仕事をするための 一番の基本は挨拶から、だ。 「おはよう、アンジェちゃん」 「あ、おはようございます。サラさん」 仲のいいスタッフがアンジェリークに近づいてくる。 「今日もいい歌を期待してるからね。アンジェちゃんの歌、最近、好評なんだから。もっともっと出てもらいたいくらいにね」 「ありがとうございます」 お世辞だとしても、ほめられれば素直に嬉しい。 「あ、そういえばさ。ほら、あのプロデューサー。女癖悪いって、評判の」 「はぁ……」 昨日のレヴィアスとの会話で一応、自分の中で結論付けたけれど、あまり会話に上らせて欲しくはないのも本音で。 曖昧に返事を返す。 「何かさぁ、酔っ払って、スポンサーのえらいさんに恥を切らせたとかで、やばいことになったんだって〜」 「え〜」 「あ、これ。オフレコだから、言っちゃ駄目だよ? 女癖も悪いって評判だったしね。その裏づけもとってるみたいだしね。 アンジェちゃん、仕事で組むはずだったって聞いたから、耳に入れとこうと思ったの」 「はぁ……」 「でも、組む前でよかったね。ホント♪」 キツネにつままれた気分になる。昨日の今日でこれ、だ。 (まさか、レヴィアスが……) まず思い浮かんだことにアンジェリークは慌てて首を振る。大財閥の総帥がこんな一介のアイドルごときに手を動かす はずがない。自意識過剰もいいところだ。 「でも、ラッキー♪」 とりあえず、嫌な思いはしなくても済む。その幸運には感謝しよう。満面の笑顔を浮かべて、アンジェリークはスポット ライトの世界に入っていった。自分がいるべきと願った場所、へと……。 |
府府府、もちろん、レヴィアスが手を回してます。アンジェ視点ですから、この話……。