夕食が終わると、普段はレヴィアスは明日の自室で明日の仕事の日程をカインやキーファーから聞いたり、経済紙を読んだりと、
時間を過ごしている。その習慣は変えることはない。誰もがそう信じていた。
「レヴィアス様、この事業に関してですが……」
「ああ。報告書を読むと、問題点が見受けられるな。改善案は出たのか?」
「いえ、自分の利権が絡むとなると、なかなか……」
「我が出向く事ではないが、古狸があれこれ言うのなら、裏から手をまわせ。ジョヴァンニあたりに策を練らせろ」
「は……」
 報告書に目を通し、よりよい方向に業務を進めていこうとする。食事後でも常の仕事の事は忘れない。それは普段と全く変わらない。
それが、書斎ではなく、今になってもスタイルは変わってはいない。変わってはいないのだが……
「こ、これがね、て、天使様だよ……。あ、アンジェリークと一緒だね〜」
「♪」
 レヴィアスが腰掛けるソファの近くで、画集を手に小さな天使と少年は楽しそうに時を過ごしている。はっきり言って、緊張感など全く
ない。
「ルノー、お茶ですよ。アンジェリークにはジュースにしました」
「あ、ありがとう、ユージィン……」
「いいえ、可愛いルノーのためですから……」
 そう言って、にこやかに微笑むユージィン。
「ルノーも大人になりましたね。小さな子の面倒を見てやれるのですから」
「そ、そんなことないよ。みんながしてくれた事をしてるだけだから……」
「そう思う心がけが嬉しいのですよ……」
 彼の目にはあくまでもルノーを中心にしか映っていないらしい。あまりにもらしくて、苦笑するしかない。利害は一致しているのだから、
問題はないかもしれないが。
「子供が子供の面倒を見るって、思ったけど、効果はあるかもしれないな」
 感心したようにカーフェイが呟く。頭脳の方はショナには及ばないまでも、優秀な子供であったが、内向的で、ユージィンの陰に隠れて
ばかりの子供だった。その彼が自分より小さな子供の面倒を見ることによって、しっかりしようとする。ある意味、いい教育である。
「レヴィアス様がなさる事ですから間違いはありませんし、ルノーは優秀な子供ですから」
 あくまでも当然であるというように答えるユージィン。あえて、反論はしない。反論したところで、無駄な事を知っているから。
「この本もいいんじゃないかな」
 図書室から、花の図鑑を持ってくるショナ。
「え、どうして?」
「別に今じゃなくても。庭に出るときに一緒に持って出たら、花の勉強になるよ」
「ああ、そ、そうか。ショナ、ありがとう……」
「別に……」
 他人に関して、無関心な子供であるショナですら、こうなるのだ。元々、ルノーと歳が近い事もあるためかもしれないが、これもなかなか
見られる光景ではない。


なんだかなぁ……


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