その頃、ゼフェルはエアバイクで聖地を走り回っていた。
「うーん。スカッとするなぁ」
エアバイクから降りて、とりあえずの休憩。持ってきたミネラルウォーターを一気にあおり、一息をつく。
久々のエアバイクでの疾走はスキッとする。風を感じるその感覚がたまらないのだ。
「あ〜。いい天気だよなぁ〜」
草むらに寝転がって、空を見上げる。こんな風に一人で過ごすのも久しぶりだ。いつも、アンジェリークが
ゼフェルの傍にいたがって。離れたがらなくて。ぎゅっと、ゼフェルにしがみついてやまなかったから。
「ちゃんと寝てるんだろうな……」
意気揚々と外出したのは良かったけれど。いないとなんだか、寂しい。ずっと、アンジェリークの傍にいた
せいなのかもしれない。鬱陶しいと思っていたのに、いつの間にか傍にいるのが当たり前のようになっていた
のかもしれない。
「ま、俺も昼寝と行くか……」
見上げる空はどこまでも青く、降り注ぐ日差しは暖かい。生ぬるい空間だといつもは感じるけれど、昼寝には
最適な天候を維持していると考えると、それはそれでいいのかもしれない。一つあくびをすると、ゼフェルは
瞳を閉じた。
どれだけ眠っていたのか? それでもまだ日が高い。まだ夢の中にいるゼフェルに不機嫌そうな声が降り
かかってきた。
「こんなところにいやがったか」
「……?」
不意に日影が差し込んだ感覚にゼフェルは鬱陶しげに目を開けると、赤毛がまず最初に目に入る。
「おい、ゼフェル。おきろ」
「んだよ、オスカー。今日は日の曜日なんだからな。昼寝くらいさせろ」
「あいにくだが、そういうわけには行かないな。お嬢ちゃんとジュリアス様がお待ちだ」
「はぁ?」
アンジェリークが待つのなら、ともかくとして、なぜジュリアスが自分を待つのか。日の曜日だ。仕事をサボって
いるわけではない。説教されるいわれはないはずだ。だが、オスカーはゼフェルの腕を無理やりに掴んで立ち
上がらせた。
「お嬢ちゃんが泣いてたのを、ジュリアス様が保護されたんだ。泣きじゃくっていたんだぞ? なのに、お前はこんな
ところで……」
「泣きじゃくるって、アンジェが、か……?」
いつだって、無邪気に笑うか、ゼフェルに甘えるか、ゼフェルから離れたくない時に悲しげな表情を見せるかはして
いたが、泣いた記憶はない。呆然とするゼフェルをオスカーは引きずって連れて行き始めた。
ゼフェル発見……。ふふふ、このあとはもちろん、お説教ですよw
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