「あ、セレスト……」 声に切羽詰まったものがまじる。首を振って快楽から逃れようとしている。そんな姿にセレストも自分の熱が煽られるのを自覚して いた。 「セレ…スト、も……。いい、から……」 「よろしいのですか」 「何度も言わせる、な……!」 荒い息をつきつつも、相変わらずな口調。そのアンバランスさがたまらなく愛しい。 「失礼します、カナン様……」 耳元で囁かれる声。それだけで震える。衣ずれの音にようやくセレストが制服の上着を脱いだことに気付く。そのまま椅子に上着を 掛けるとしどけなくソファに横たわるカナンに向き直った。 「今はこのままでお許しください」 「え?」 カナンが戸惑うにもかまわずセレストはカナンを背後から抱き寄せた。 「セ、セレスト!?」 セレストの膝の上に座らされた形の体勢にカナンは抗議の声をあげるが、セレストは止めることはしない。 「失礼します、カナン様……」 そう囁くと、セレストは前をくつろげて熱くなっている自身をカナンの中に沈めていった。 「う、ぁ……」 慣らされているとはいえ、この瞬間だけは衝撃が大きい。セレストはカナンに負担を掛けぬようにゆっくりと動き出す。 「ん、くっ」 「カナン様……」 本来は受け入れる機能などないはずのその場所に自分を受け入れてくれている。自分だけの一方的な想いではなく、カナンも セレストを求めてくれている。それは何よりの幸福で。誰よりも愛しくて。 「あ、やぁ、セレスト……!」 名前を呼ばれる、そんなささいなことにすら喜びを感じている辺り、末期なのだろう。 「カナン、様……」 「え? ちょっ……!」 カナンには快楽だけを追って欲しいから。手を伸ばして、カナンの中心に触れる。そこはまた熱を取り戻していた。 「あ、ぁ……!」 与えられる感覚はあまりにも強くて、カナンは首を振って感覚から逃れようとするが、それも叶わない。 「ん、あぁ!」 「カナン様……」 鼓動のリズムが重なる。上り詰めてゆく感覚の中で目指す場所は一つしかない。 「セ、レスト……。も、あ……」 「ええ、私も……」 限界を訴えるカナンにセレストも己の頂点が近いことを感じていた。今まで以上にカナンを揺さぶる。 「カナン、様……」 「あ、あぁ……!」 限界まで昇りつめたら、後は墜ちてゆくだけ。セレストの掌にカナンが熱を弾いた瞬間、中が強く締め付けられる。それに釣られて、 セレストも自身を解放した。 荒い息が室内にこもる。ぐったりと自分に持たれるカナンの頬にセレストは優しく口づけを落とした。 |
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