「や…っ……」
 下着越しとはいえ、すでに反応を見せ始めているそこに触れられて、カナンは身体大きく竦めた。
「お嫌じゃないでしょう?」
「ば、ばか……!」
 真っ赤になって反論するカナンにセレストは愛しさをこめた笑顔を向けると、口付けを落とす。優しい口付けは
嫌いじゃない。むしろ、好きだといっていいのかもしれない。
「ん、ぅ……」
 甘い口付けによっている間に、セレストの手はカナンの下着に滑り込む。
「ちょ、やぁ……!」
 直接触れられ、カナンは狼狽する。何かの本で書いてあったように、同性だからこそわかるというのは、本当の
話だろう。実際に、身体の熱を煽るように的確にツボをつかんだセレストの手の動きに、カナンは翻弄されるしか
なくて。自分でしたことがないといえばウソになる。だが、誰かの手によって、快楽を煽られることははじめてで。
「やだ、ヘン……」
 身体中の熱がセレストの触れている部分に集中して。
「いいですよ……」
「うわぁ…っ!!」
 よりいっそうの強い刺激を与えられて、カナンは自身をたやすく解放した。
「あ……」
 解放の余韻が大きかったらしく、うつろで潤んだ瞳でセレストを見上げてくる。
「大丈夫ですか?」
「……多分」
 吐く息も荒い。人工呼吸のように優しいキスを何度も与えられて、ようやくカナンは少しばかり息を落ち着けた。
「あの、進んでもよろしいですか?」
「き、聞くな、馬鹿!!」
 う〜と、潤んだ瞳で見上げられても、あまり効果はない。愛しさが増すだけだ。けれど、ここから先はやはり
はじめてであろう相手には戸惑いや恐怖があるはずで。セレストはそっと、華南の瞳に口付けを落とした。
「あの、嫌だったら、抵抗してくださいね。その、頑張りますから……」
「う、うん」
 セレストの言葉にコクリと頷く。誰かに身をゆだねることなどはじめてで。どうすればいいのかはわからない。
だが、それでも、セレストを受け入れたいと思う。
「いいですか?」
「あ、ちょっ、どこ触って……」
 枕もとにあった、香油で指を湿らせたセレストが最奥部に触れてくる。自分で見ることもない場所を他人の指が
触れてくることにカナンはひどく狼狽した。
「ちょっと、嫌だって……!」
「でも、慣らさないと、あとでカナン様が傷つきますから……」
 じたばたと暴れ出すカナンを難なく押さえつけて、セレストの指がカナンの奥に入り込んでくる。ゆっくりと慣らす
ような指の動きにひどい異物感を感じる。
「は、ぅ……」
 時間をかけて、指の本数を増やされて。やがて、その指先がある一転に触れたとたん、カナンの身体が大きく
震えた。
「ひぁっ……!!」
「ここ、ですね?」
 ようやく見つけた場所をセレストの指が何度も往復する。異物感とは違う感覚に苛まれ、カナンの瞳からぽろぽろと
涙がこぼれ出す。
「や、だめ、も……」
 どうすればいいのか、わからない。ただ、目の前のセレストに救いを求めるしかできなくて。必死で、名前を呼ぶ
しかない。
「カナン様……」
「も、だめ…セレスト、もぅ……」
「ええ。俺ももう、限界です……」
 自分の手で染まってゆく愛しい存在に身体が反応しないわけがない。セレストは指を抜くと、自身を取り出し、その
場所に当てた。
「あ……」
 熱い、それにカナンは不安そうにセレスとを見上げる。
「……あなたを私だけのものにして、よろしいですか?」
「ん……」
 これから、どうなるのか? 受け止められるのかはわからないけれど。優しい瞳に映るのが自分だけで。その瞳に
ずっと映っていたいと思った。
「うん。その代わり、お前も僕だけのものだ……」
「……はい」
 極上の笑顔で頷くと、セレストはゆっくりとカナンの中に自分自身を埋めていった。

あう。すみません。エロは難しいです。

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