長い金糸をゆっくりと梳いてゆくのはセレストの長い指先。この国の王家は剣士の家系らしく、セレストも 剣の腕はこの国では2番目だと聞いている。そのためか、王子にしては、ところどころ節くれだった指をして いた。けれど、それは決して不快感を表すものではない。ゆっくりとカナンの緊張を解いてゆく。 「あ……」 そっと背中に回された手がカナンの背を浮き上がらせる。そのまま器用に夜着のボタンをはずして行くと、 白い肌があらわになった。 「……僕ばっかり、脱がせるな。恥ずかしい……」 真っ赤になってうそぶくカナンに少しばかりの笑みをこぼすと、セレストは柔らかな笑みを浮かべた。 「脱がせるのは男のロマンなんですが?」 「ば、馬鹿! じゃあ、僕だって同じじゃないか!」 丁寧な口調の王子から出てきたとんでもないせりふにカナンは動揺した。思わずチョップをしようと振り 上げた手は、簡単に押さえつけられて、額にキスを落とされる。 「こ、こんなことじゃ、僕は……。ひゃっ?!」 反論しようと開いた口は途切れてしまう。肌蹴た夜着の隙間から、セレストの指が忍び込んできたからだ。 柔らかくはないが、滑らかな胸の肌を楽しむように指が触れてゆく。 「ぁ…っ……」 知らず、唇からこぼれる甘い声にカナンは真っ赤になった。セレストはそんなカナンを可愛く、いとおしく 思いながらも、肌を触る手を止めもせずに、胸の小さな飾りに指を伸ばした。 「え、あ……?」 柔らかなそれはしばらく触れていると、硬く立ち上がってゆく。そして、そこから生まれる感覚はカナンの 中の熱をあおり始めていた。 「や、やめ……っ」 「どうしてですか?」 問い掛けてくるのはあくまでも優しい瞳。だから、余計に混乱する。知らない感覚に蝕まれておかしくなり そうなのに。彼はそうではないというんだろうか? 「だって、おかしくなる……」 必死で答えたその言葉にも、セレストはくすりと笑うだけ。 「いいんです。おかしくなってください」 「そ、そんな……。あ、っ……」 セレストの答えに絶句している隙に、セレストの顔がカナンの首筋に伏せられた。首筋に軽く吸い付くと、 白い肌に赤い花が咲く。それは首筋から、鎖骨へと映り、やがて胸の中心に。 「あ、やぁ……!」 すっかり反応している胸の果実がセレストの口に含まれる。柔らかく甘噛みされたり、舌で転がされれば、 今まで以上の反応を返すしかなくて。そして、セレストの手はもう一方の胸の頂に。 「やぁ、も、セレスト……」 知らない感覚が大きくなっていくばかりで。その感覚をどうやり過ごしていいのかなんて知らない。だから、 ただ翻弄されるしかないままで。 「あ、ぁ……」 身体が熱い。そして、その熱さはある一点に集中していた。けれど、それをどうすればいいのかわからない。 一人のときならば、やり過ごせるけれど。今はセレストがいる。セレストのいる前で、どうやり過ごせばいいのか。 「セレスト、も、やだぁ……」 救いを求めるようにセレストの服のすそをつかむと、セレストはカナンのほほに柔らかく口付けを落とした。 「ええ。わかっています」 そう告げると、セレストはいまだにカナンの身体にまとわりつく夜着を脱がし、下着の上から、カナンの中心に 手を伸ばした。 |
す、すみません。ここで切らせてください。何か、セレストが嫌だ……。しくしく……。