滑らかな肌をセレストの指が滑り落ちてゆく。
「ん、っ……」
 敏感になった肌にはそれすらも甘い痺れとなり、全身を駆け巡る。あとをつけない程度にセレストの唇が首筋を、
鎖骨を通り抜けて、すでに存在を主張している小さな突起へと。
「あ、っ……」
 軽く吸われただけで、全身に痺れが走る。いつもより、感じている。そんな自覚。それに気づいたセレストはもう
片方に指で触れてきた。
「やぁ、ちょ…っ……」
 敏感な場所を唇で吸われたり、軽く歯を立てられたり。指で軽く押しつぶされたりして。いやでも体が熱くなる。
「セレスト…っ…!」
 もどかしくて、セレストの腕を掴むと、セレストは余裕の笑みを浮かべていて。
「馬鹿者……」
「すみません……」
 カナンの意図を察して、セレストは胸の突起から手を離し、その手を下半身に滑らせた。
「あ…っ……」
「先ほどよりもぬらしておいでですね?」
「馬鹿者…!!」
 潤んだ瞳で見上げたところで意味のないことに、どうして気づかないのか。否、気づいてもらっては困る。この
瞳に見つめられるのは非常に心地よいのだから。だから、カナンをあおる手の動きを強める。
「や、ぁ…もぅ……」
 限界を訴えるカナンにセレストは微笑して、先端を軽く爪を立て、解放を促した。
「うゎぁ…っ……!!」
 ビクンッと、大きく体が震え、セレストの手にカナンの熱が吐き出された。
「カナン様……」
 チュッと解放に震えるカナンの頬に優しいキスを与えると、カナンの瞳から生理的な涙がこぼれおちる。それを
セレストは優しく舐めとった。
「ん、ふぅ……」
 少し、息が落ち着く。
「セレスト……」
「はい、カナン様……?」
 セレストの胸に顔を埋めるカナンに限りない愛しさを感じる。
「僕もする……」
「カナン様……」
 初心を忘れてはいないらしいカナンに苦笑しつつ、セレストはカナンが吐き出したもので濡れた指先をカナンの
最奥に触れさせた。
「こ、こら……」
 ゆっくりとならすように自分の中に入り込んでくるセレストの指にカナンは身を震わせる。
「や、やだぁ……」
 慣らすように、探るようにカナンの中でうごめく。やがて、カナンの中の一点を見付けると、そこを重点的に攻める。
「ちょ、っ……」
「カナン様にしてもらうための準備ですから……」
「準備、って……」
 反論も抵抗も、できはしない。セレストに翻弄される。いつしかカナンの中心は熱を取り戻していた。
「も、駄目……」
 このままではまた達してしまう。セレストの腕を掴むと、セレストの指はカナンの中から指を抜きとった。
「あ……」
 安堵感と、そんなことにすら感じている自分の浅ましさに思考は混乱している。セレストはそんなカナンを自分の
膝の上にのせた。
「え、セレスト……?」
 いつもとは違う体勢にカナンは戸惑いを隠せない。
「カナン様がしてくださるんでしょう? ですから、カナン様が自分で入れて下さいますか?」
「え……?」
「出来ませんか?」
「〜」
 こういう言い方をされれば、カナンが引かないことをセレストは知っている。真っ赤な顔でゆっくりとセレストの熱く
なったものを手にすると、自分の中にゆっくりと沈めていった。



頑張れ、カナン……。あうあう

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