人生というものはままならないことばかりである。今、ゼフェルはそれを痛感している最中であった。
「♪」
頭の上でパタパタと聞こえる羽音にゼフェルは溜息をつく。
「あ、アンジェ、ゼフェル」
「やぁ、アンジェリーク、ゼフェル」
話し掛けて来る声はすべて頭上に集まる。
「てめーら、人の頭上で会話をしてんじゃねーよ!」
凄んでみせたところで頭上にいるもののせいで効果はない。
「♪」
「てめーも脳天気に笑ってんじゃねーよ!」
「?」
怒鳴っても相手に届かなければ、それは何の意味もない。
「ゼフェル、そんなに怒鳴ったら可哀相だよ」
「だったら、てめーが面倒見ろよ……」
そう言って、ゼフェルは頭を振って、頭上の存在を振り落とそうとするが、ランディが慌ててそれを制する。
「やめろよ! 相手は小さな子で、天使だぞ!」
「じゃあ、てめーにやるって言ってんだ!」
「でも、お前に一番懐いているだろ! あんなに可愛いのに!」
二人の口論を気にすることもなくゼフェルの頭の上には小さな天使がニコニコと楽しそうな笑顔でしがみついている。
「仕方ない二人だなぁ……」
呆れながらも、小さな天使が楽しそうに笑っているので、マルセルも思わず笑みを零す。
「アンジェはゼフェルが大好きなんだよね」
「♪」
マルセルの問い掛けに小さな天使はにっこりと頷く。
ふわふわの金色の髪にエメラルドグリーンの大きな瞳。小さな身体は赤ん坊サイズ。一見すると、首が座り始めた頃の赤ん坊。
だが、その背中には純白の翼。いわゆる天使と呼ばれる存在であるのは明白。
突然、聖地に現れたこの存在はゼフェルによく懐いており、ゼフェルの頭の上がお気に入りの場所であった。
とうとう始めちゃいました……。天使リモ、ゼフェルバージョン。しかも、聖地です。他の守護聖様とディア様も出てきます……。
どうなるんだろう……。
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