いつか、どこかで
目の前の光景が揺らいだ気がした。そう思った瞬間、身体が崩れ落ちる。 「……限界、かな?」 呟いて、白鳳は苦笑する。昨日から、熱が出始めていたと思っていた。だが、あいにく旅の途中で、街まではまだ遠い。薬草を飲んで、自分をだましだましにしてきたが、それでも追いつかなかったらしい。 「きゅるりー」 心配そうにスイが声をあげる。 「ああ、大丈夫だよ。スイ。ちょっと、横になればいいから……」 そう微笑んで見せてはいるものの、実際は限界に近いものを感じていた。 「神風、悪い……。スイを……」 お供の男の子モンスターに声をかけようとしたものの、そのまま白鳳の意識は闇に包まれていった。 |