置手紙
それは栗色の髪の天使が、まだその翼に目覚めていない頃の話。
日の曜日の商人はかなり忙しい。女王からの依頼で、聖地の庭園で女王候補のための小さな店を開いているが、女王試験の
ため、なかなか聖地を離れられない人間のためにも色々と頼まれてしまうためである。
そして、今日も訪れる人が一人。だが、運悪く、主は不在であった。
「……わざわざ人がここまで来たっていうのに、どうしていないんだい?」
微かに眉を顰て、セイランは無人の露店を見つめる。かわりに置かれているホワイトボードにはこう書かれていた。
『しばらく外に出てるけど、すぐ戻ってくるさかい、心配せんとってな♪』
と。いかにも明るい彼らしい。
「……」
けれど、それは彼の神経を逆なでするしかなかった。おもむろに、ホワイトボードの横に置いてあったペンを手に取ると、サラ
サラと何かを書き始めた。
「うわぁ…きっつう……」
しばらくして、戻ってきた商人がホワイトボードを見て、軽く溜め息を吐く。「セイラン様らしいと言うか……」
アンジェリークも苦笑するしかない。秀麗な字でホワイトボードにはこう書かれていた。
『心配なんかするわけないじゃないか』
……と。
それ以来、セイランが訪れそうな時間帯には店を離れないようにした商人であったという。
だから、私はセイランが嫌いじゃないんですってば。ちなみに、私はこれやられた事があります(笑)。今の係の係長に……。
<聖地お笑い劇場>