言の葉


 言葉が足りないのは、愛が足りないから。なんて、思わないけれど。やっぱり、言葉が欲しい時もある。
「愛している」
 その言葉を聞いたのは、すべてが終わった時に約束の地で。そして、それきり。愛してくれているのは
わかっている。けれど、時々言葉が欲しい。言葉で確認したいというのはわがまま? そんなことを言って
見せると、困ったような顔をされた。
「言葉ってのは怖くないか?」
 私の不満に応えるように彼は言った。私はその言葉に首をかしげる。
「一度声に出して、それを認識されると、それはもう存在する。…それが怖い」
「?」
「果たせない約束なら、しないほうがいい。愛してるって言葉もずっと使えるとは限らない」
 それはいつか心が離れてしまうということを言いたいの?と聞いたら、彼は首を振った。
「なくしてしまったときが大きいだろ?」
 その言葉は彼が一番恐れているものを意味している。果たせなかった約束を彼は持っているから。けれど、
それは時間をかけて叶った。少なくとも私は。
「……なくしてしまわないように毎日愛して?」
「おい?」
「未来は不確実だけど、今の連続が未来でしょ? 連続して、愛し合いましょ? そうしたら、不安はなくなる
でしょう?」
 私の言葉に彼は一瞬きょとんとして、そして、次の瞬間には笑い出してしまった。私、何かおかしいことを
言ったんだろうか?
「やっぱり最強だよ、お前は」
 今度は私がその言葉にきょとんとする番だった。


バリバリに勝気ちゃん。でも、言葉が欲しいときもあるのです。

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