衣替え
聖地は万年常春の穏やかな気候に包まれている。だから、季節ごとの衣替えは本来は関係なく、守護聖たちはおのおのが好きなような衣装を着ている。守護聖としての品位を下げない格好であれば何でもいいのだ。本来、は。
「おめー、何だよ。その格好!」
「駄目なの? 似合わない?」
あどけなく小首をかしげるアンジェリークにゼフェルは頭を抱えたくなる。日の曜日。宮殿にメカのパーツを忘れたので、取りに来てみれば、中庭のベンチに腰掛けるアンジェリークの後ろ姿に気づいた。声をかけてみれば、立ち上がって振り返ってくれて。そして、少女の姿に絶叫することになった。
「おかしいなぁ。可愛いと思って、チャーリーに取り寄せてもらったのに」
「あの野郎……」
この場にいない聖地の御用商人に殺意を感じる。女王である少女が今来ているのはピンクのキャミワンピ。膝上の長さである。足下は淡いピンクのミュール。確かに可愛いと言えば可愛い。だが、露出がすぎるともも思うのだ。
「その格好、せめて上に何か着ろよ」
「その方が可愛いの?」
「そう言う問題じゃなくてな……」
どう説明するべきなのか。目のやり場に困るとも言いにくい。華奢な肩や、かわいらしい丸みを帯びた身体のライン。自分以外の男の目にさらしたくはないと言う心理もあって。
「おめー、そういうのよりも。いつものあのふわふわの格好の方がいいと思うぜ……」
とりあえず、自分的に安心できるからと言うのを飲み込んで。いつもの普段着なら、安心できる気がするから。
「そうなの? ゼフェルはそっちが好き?」
「まぁ、な……」
好きと言うよりは安心できるからと言う言葉を飲み込む。
「じゃあ、そうする。今はカーディガンを着るね」
オーガンジーのカーディガンを羽織れば、一変して可愛らしい格好になる。その格好にゼフェルは安堵のため息をついた。
ヘタレでも大好きだよ、ゼフェルw
|| <Pureness Angel>