至福の午後

 さくさくのシュー皮と甘いカスタードクリームの絶妙なハーモニー。
「美味しい〜。シュークリームって、シュー皮を膨らますのが難しいのよね〜」
 無邪気にシュークリームにぱくつく女王に才色兼備の女王補佐官は難しい顔をする。
「陛下、お行儀が悪いですわよ」
「だって、美味しいんだもの」
 窘めるロザリアの言葉に金の髪の女王、アンジェリークはどこ吹く風である。
「まったく、あんたって子は……」
 口調が女王補佐官から、親友のそれに変わるのにアンジェリークは満足げに笑う。
「私の前だからいいですけど。女王の威厳って言うのがあるのよ、考えて頂戴」
「いいじゃない、今はロザリアと二人だけよ? たまには、ね?」
 上目遣いで見上げてくるのは卑怯だとも思えてしまうのは、自分がこの目線に弱いからだ。甘え上手の天使に逆らえるはずがない。
「ロザリアも食べない? 私一人じゃ食べきれないわ」
「そりゃあ、付き合いはするけど。でも、その前にお茶を入れ替えるわね」
 そう言って、立ち上がるロザリア。
「うん、ありがとう、ロザリア。二人で食べ切れなかったら、マルセルにあげようね」
「あら、ここに呼んで一緒に食べるって言わないの?」
 少しばかり、ロザリアは戸惑う。にぎやかな好きなアンジェリークならそうすると思っていたのだ。アフタヌーンティーはたいてい守護聖たちが同席するのだ。にぎやかなほうが楽しいというのが持論なはずなのに。
「それもいいんだけど。たまにはロザリアと二人だけでお茶するってのもいいでしょ? 女の子同士の話もたまには、ね」
 悪戯っぽく笑うアンジェリーク。
「そうね。たまには、ね。あんたと二人でのお茶も悪くはないわね」
「うん」
 女王と女王補佐官の関係ではあるけれど。その前に大切な親友であるのだから。こういう時間も悪くはない。
「今度はあの子達も誘って、お茶もいいわね」
「……あんた、そのときはちゃんと女王の顔してよ」
「え、だめ?」
「あんたって子は……」
 あきれたような顔をするロザリアに対して、アンジェリークはニコニコと笑っていて。結局、折れてしまうのだろうなと考えてしまうロザリアであった。
 それでも、こんな時間が悪くないとは思っていたことは、アンジェリークには秘密なのである。
 



ランディにリモはやりたくない。それなら、ロザリアに…と思ったら、ロザリモが……。

|| <Pureness Angel>