「何もなさ過ぎて平和なのは退屈だが、年中晴れてるのはいいもんだな」 「え?」 アンジェリークの膝枕の上で、そう呟いたアリオスに対し、アンジェリークはきょとんとする。 「何だよ、そのはとが豆鉄砲食らったような顔は」 「え、だって。アリオスがそんなことを言うなんて意外で……」 「こっちは補佐官殿にこき使われてんだ。昼寝したって罰はあたらねえっだろ? こんなにいい天気が続いてんだし名」 「そりゃあ、一定の気候を保つようにしてるし。それがどうかしたの?」 「この間、行った惑星はちょうど雨季らしくてな。しかも、しとしととうっとうしく振りやがって、じめじめしてて名」 「ああ。それ、梅雨っていうんでしょ? 何かの文献で呼んだことあるわ。その時期はカビが生えやすいとか聞いたことあるし」 報告書に書かれていたわ、とアンジェリークは記憶をめぐらせる。惑星ごとの風習や文化の違いによって、名前が色々と変わる。それがどこか楽しかったことを思い出した。 「あんなに雨が降られちゃ、昼寝もできやしねえ」 「……そういう問題?」 「俺に取っちゃ、重要問題だぜ?」 そう嘯くアリオスにアンジェリークはくすくすと笑った。穏やかな気候の中の休息はもう少し続きそうであった。
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