エプロン


 ラムのシチューと焼きたてのパンとサラダが食卓に上る。デザートは甘さ控えめのケーキだ。女王の仕事が忙しくても、この準備だけは譲れない。
「準備、完了!」
 後はアリオスを呼ぶだけだ、と思っていたら、当の本人が時間より早くやってきた。
「アリオス、どうしたの?」
「どうもこうも。聖天使がらみで、レオナードとフランシスに絡まれそうだったんでな」
「エンジュがらみで?」
 聖天使となってこの宇宙に残ってくれたエンジュはよく働いてくれる。けれど、それにアリオスがどう関係するのかが理解できない。魔天使と聖天使という役割の違いもあり、あまりあえないこともある。
「なんでも、俺の誕生日ってことでウオッカを用意してくれたらしいんだとよ。で、俺に会う前にあの二人にあったらしくてな。で、レオナードには色々言われるし、フランシスには呪われそうな勢いでな……」
「……お疲れ様」
 エンジュがあの二人に溺愛されていることはアンジェリークも知っている。
「ま、時間より、早く来て、いいもん見れたな」
「え?」
 アリオスの言葉にアンジェリークは首を傾げる。
「そういう格好のお前を見れたのはラッキーだったな」
 エプロン姿のことを指されていることに、アンジェリークは真っ赤な顔になる。本当はアリオスが来る前に着替えるはずだったのだ。
(な、何よ、不意打ちで私が喜ばされてどうするの〜)
 乙女心は色々と複雑である。だが、次の言葉で複雑さはどこかに飛んで言った。
「それで、素肌にエプロンだったら最高だけどな」
「アリオスの馬鹿〜」
 アンジェリークの絶叫が響く。


「毎年やってるのに、懲りない馬鹿ップルだわ……」
 才色兼備な女王補佐官はそう呟いて、明日の女王不在のスケジュールを再確認するのであった。



アリオスからセクハラは外せませんw

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