妖精
| 「約束の地に妖精がいるとは聞いていたけど、まさか君だったとはね……」 独特のシニカルな口調で語りかけてくるセイランにアリオスは軽くため息をつく。いつもの用にアンジェリークを 待っていたら、 ふらりと、セイランが現れたのだ。 「それで俺をどうするつもりだ?」 どうせばれる時にはばれる。そうしたら、アンジェリークの迷惑にならないように出て行くだけだ。 「どうもしないよ。やっと、笑えるようになった彼女から笑顔を取り上げるなんて、芸術に反するよ。彼女から、笑顔を 奪ったのは 君なのに、笑顔を与えられるのも君何だからね」 そう言うと、セイランは軽く肩をすくめる。 「ま、妖精の話を聞いて、お子様達がここに来ても困るだろうし。別の噂を流していて上げるよ」 「別に必要ないさ」 「そうは行かないよ。君のことだ。存在が他に知れたら、また姿を消すんだろうしね」 クスクスと笑い、セイランは踵を返した。嫌なやつに借りを作ったのかもしれない、なんとなくそう思ったアリオスで あった。 「アリオス〜」 入れ違いのようにアンジェリークが現れる。 「どうしたの? 機嫌が悪そうな顔?」 「何でもない……」 アンジェリークの様子からして、セイランとは会っていないようだ。本当のことを言うのも癪なので、あえて、 黙ってることにしたアリオスであった。 そして……。 「約束に地にいるカップルの男の方が邪魔をされると、怖い顔でにらむから近づかない方がいい……」 という噂が翌日から流された。当然、約束の地を訪れるものが減ったのも言うまでもない。 (あの野郎……) 確かに人払いはできたことは間違いがない。だが、その手段に限りない悪意を感じたアリオスであった。 |
はは。アリオスが相手でもこうかい、あんたは……。
<聖地お笑い劇場>