やるべきことを
| いつもと同じように女王として、執務に向かうために執務室に入った女王アンジェリークは思わず回れ右をしたい気分に陥った。 「えーと……?」 思わず固まってしまうアンジェリークに自他共認める才色兼備の女王補佐官レイチェルはどこか遠い瞳をして言った。 「あなたへのバースデープレゼント…らしいよ」 誕生日を公にしているわけではないのに、何故だか女王の執務室にはたくさんのプレゼントの箱の山。 「レイチェル、私の誕生日だから、今日は何かするようにとか言った?」「まさか。そういうことされたら、アナタが気を使うってことをわかっててするわけがないじゃない」 「じゃあ、なんで……」 送り主はこの宇宙の守護聖たちのようだ。それぞれに個性が出ていて、面白い…というより、あまりにもバラバラすぎて笑うしかない。 「この白薔薇はフランシスよね。この手作りのアクセサリーはメル……」 ドンと一升瓶やワインが鎮座しているのはみなかったことにしたいようだ。こんなものを贈るのは某首座の守護聖しかいないのだが。 「やっぱり、こうなってたか……」 いきなり背後から声がして、二人は振り替える。 「アリオス?」 いつもは傲岸不遜の魔天使が珍しく申し訳なさそうな顔をしている。 「どういうこと?」 レイチェルがアリオスに問い掛ける。アリオスが人の、ましてやアンジェリークの誕生日だからと守護聖に呼び掛ける性格なはずがないのだから。レイチェルの問いかけにアリオスはしぶしぶといった顔で小さな小箱をアンジェリークに差し出した。 「外に出ていた時にいい宝石を見つけてな。それを加工してもらった品を取りに言った時に、聖天使に見つかっちまったんだよ。で、あれこれ聞かれちまってな……」 「エンジュがかぁ……」 エトワールだった頃、神鳥の宇宙、聖獣の宇宙の守護聖のお祝いを全員分欠かすことはなかった。 「どうする? これから、今夜は二人でお祝いするんでしょ? 今から、パーティーにでも切り替える」 レイチェルとて、鬼ではなく。アンジェリークとアリオスのスケジュールを調整して、一緒に過ごせるようにしていたのだ。 「えーと……。みんなにお礼状を書くわ。だから、ね……」 アリオスと一緒にいたいの…と、恥ずかしそうに顔を染めて。その顔にアリオスは満足そうに笑みをこぼして。レイチェルは軽く肩をすくめる。 「OK。じゃあ、今日もお仕事頑張りましょ!」 甘い恋人たちの時間もやるべきことをやってから。そんな有能な女王補佐官様に恋人たちはただ笑みをこぼした。 |
アンジェの誕生日設定は自分のを使ってるので、書いてしまいましたw
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