VS

「……」
「♪」
 見詰め合う栗色の髪の天使と、金色の髪の天使。互いにぱたぱたと飛んだままで動くことはない。
「……あれって、たれぱんだVSメカたれぱんだの状態」
「その心は?」
「でも、特に戦わない」
「なるほど」
 ジョヴァンニとカーフェイの禅問答。傍で聞いていたショナはそういう問題ではないとは思うが、口にはしない。
「すみません。突然に押し掛けてしまって……」
「いえ。アンジェリークも喜んでますから」
 恐縮するカインにリュミエールは穏やかな笑顔で首を振る。ファーストコンタクトは固まったけれど。お互いににっこりと
笑顔を返せばすっかり仲良しさんで。二人の小さな天使はパタパタと楽しそうにレヴィアスの館の庭を飛んでいる。それは
見ている人間を何よりの至福の気分にする。
 きっかけは栗色の髪のアンジェリーク以外にも天使の存在があると言う報告を受け、調査したところ、クラヴィスの屋敷に
存在する金色の髪の天使が発覚した。そこで駄目モトて交渉したところ、色よい返事を得られ、今に至る。
「仲良くしていただけて嬉しいですよ」
「ええ、こちらもです」
 などと、ほのぼので終わればいいが、肝心の保護者たちに問題があった。
 金と緑のオッド・アイの青年と寡黙な黒ずくめな青年の並んだ図はどう考えても暑苦しい。しかも、視線は互いの小さな
アンジェリークに向けられている。
「我のアンジェリークのほうがずっと可愛い」
 きっぱりと言い切るレヴィアスの言葉はスルーしているのか、クラヴィスは優しい視線を金の髪のアンジェリークに向けて
いて。
(やはり、あの者には日の光の下が似合う……)
 などと考えていたりする。
 小さな天使たちが交流を深める横で、水面下の争いはこんな風に繰り広げられていたと言うのは、本人たちのみが知る
事実であった。


一部の人には大ウケな、飼い主対決。二人とも、自分のアンジェリークしか見えてない……。

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