Sweet 後日談


 正午少し前のこの時間。別名、お昼ごはんの時間の直前。アンジェリークは正殿の中庭に置いて あるベンチに
腰掛けていた。午前中に育成の依頼を済ませ、寮に戻る途中である。

「おなかすいた……」
 呟く言葉は育ち盛りの少女となんら変わらない。女王候補とはいえ、人間なのだ。お昼時には 空腹になる。まして、
アンジェリークは空腹時に血圧がかなり下がる体質らしく、いつもの活気は
ない。
「えっと……」
 制服のポケットをまさぐる。取り出したのはキャンディ。袋に包まれたそれを出して、口に含む。
「美味しい…」
 口の中に広がるフルーツの味。お気に入りのキャンディである。すっきりした甘さとカロリーが 控え目と言うところが
彼女の気に入った理由らしい。まぁ、何にせよ、当座の空腹は紛らわせる。

「おや、アンジェリーク……」
「あ…こんにちは。クラヴィス様、リュミエール様。」
 昼時の中庭に休息をやってきたクラヴィスとリュミエールに慌てて立ち上がり、挨拶する。
「そんなに慌てなくても。
「……」
 そう言われても、アンジェリークにも女王候補としての立場がある。
「今日は…まだ顔色がいいな……」
 ボソッとしたクラヴィスの言葉にアンジェリークは苦笑する。以前、空腹でこうしてベンチに 座っていたときのことを
指されているのだ。あの時はクラヴィスがルヴァの元につれて行ってくれて、、
お茶菓子を食べさせてもらった。
「あの時とは違いますよ……」
 さすがにあの時の体験からか、今はこうして空腹時用にキャンディを持ち歩くことにしている。
「内緒にしててくださいね」
 そう言って、ポケットから取り出したいくつかの色のキャンディ。
「育ち盛りなのですから……」
 たぶんルヴァあたりに話を聞いたのだろう。リュミエールも時折、育成のために訪れたアンジェ リークに時折、ハーブ
ティーとお菓子を振舞ってくれる。

「じゃ、口止め料がわりです」
 そう言って、アンジェリークは二人にキャンディを手渡す。
「これ、すっきりした甘さで美味しいんですよ」
 まるで自分のことのように自慢するアンジェリークにリュミエールはくすくす笑いながら受け 取る。
「じゃあ、いただきますね。クラヴィス様は?」
「もらっておこう……」
 そう言って受け取るクラヴィスにアンジェリークは破顔する。リュミエールはともかく、クラ ヴィスが受け取ってくれる
とは考えられなかったから。

「じゃ、契約成立ですね」
 悪戯っぽくアンジェリークは笑う。そんなアンジェリークにクラヴィスは顔には出さないが、
穏やかな何かを感じていた。

 そして、後日。ふと、何気なく訪れた庭園の露店に置いてある商品にクラヴィスは足を止める。
「こういうものが好きそうだな……」
 誰にともなく呟くと、それを手に取る。瓶の中に詰まった色とりどりの星々。甘い甘いこんぺい とう。どんな顔をして、
受け取るのか…自然にクラヴィスの顔に微笑が浮かんでいた。

 少女がこれを受け取るのは、更に後日のこと。その時の少女の驚く反応はまた別の話になるので あった。

続きです。これは“デュエット”ネタですね。おお、自力で餌付けしてるよ。クラヴィス様。ちなみに、アンジェの
キャンディは私が大好きなUHA味○糖の“そのままフルーツ”だったりする。これ、美味しいんだよ。期間限定
なので見つけたら、買い占めております。
ええ、10袋買ったときの店員の視線が痛くても…

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