太陽の下で
波の音にアンジェリークはうっとりと目を閉じた。
耳にも優しい音が滑り込む。
ビーチパラソルの下で砂浜に直接うつぶせに寝転んで、アンジェリークはすっかりリラックスしていた。
久しぶりの休暇を楽しんでるとも、云う。
「気持ちいい」
呟いたアンジェリークは、くすぐるような感触に目を開けた。
嫌な予感を感じつつ、寝転んだ姿勢のまま肩越しに後ろを振り返り−−絶句した。
「ア……アリオス!?」
なにしてるのっ? という当然の問いは、形にならないまま飲み込まれる。
「日焼けするぜ、このままだと」
意地悪く目許を細め、けれど口調だけはアンジェリークを心配しているように云った青年を、アンジェリークはキッと睨みつけた。
「返してよ、それっっ!!」
「日焼け止めを塗り終えたらな」
「頼んでないわ、そんなこと」
「俺が困るんだよ、お前に日焼けなんてされたら」
「? どうしてよ?」
判らなくてアンジェリークは小首を傾げた。
「目立たなくなるだろ」
「なにが?」
「キスマーク」
平然と言い切った青年を、アンジェリークはあっけに取られた表情で見つめてしまった。
あまりのことに言葉が出ない。
「アリオス」
努めてなんでもない声を出し、アンジェリークはアリオスを手招いた。
アリオスが訝しそうに顔を覗き込んでくるのににっこりと笑い、キスをする。
軽く、何度も唇を重ねる。
青年の意識が集中するまで。
「……おい、アンジェ?」
不意にアリオスを突き放した少女を、アリオスは困惑げに見つめた。
アリオスの視線の先で、アンジェリークが余裕の笑みを浮かべていた。
いつの間に巻き付けたものか、バスタオルをしっかりと身体に巻いて。手には取り替えしたビキニのブラを握りしめて!
「最低!」
云って、アンジェリークはアリオスの頬に平手をお見舞いした。
いつもの二の舞にならないように。
せめて、今日くらいは……。
(一度くらい、ちゃんと泳ぎたいもんっ)
人のいない海辺だからって、早々毎日抱き合っていられない。
だって、せっかく海に来ているんだし!
「たまには健全に遊びましょ」
無敵な微笑みを浮かべて、アンジェリークはアリオスの腕に手を絡めた。
囁くことは忘れず――。
「でも、今夜もいっぱい抱き締め合おうねっ!」
END
私のおねだりを快く引き受けてくれたまどかさんのアリオス・アンジェ。彼女の書く2人っていいでしょ。で、今夜の2人は?
皆さん、おねだりしましょう。掲示板にカキコするなり、私のメールアドレスに「まどかさんへ」と、表記してくだされば、
彼女に知らせますので。