Suger Girl
(ふわふわした、砂糖菓子みたいな子ね……)
共に女王候補として選ばれた同じ歳の少女に対してのロザリアの印象はこんなものであった。
頭の天辺から、爪先まで。どう見ても、ごく普通の平凡な少女。その性格そのままが形となったようなフワフワの金の髪と
エメラルドグリーンの瞳が印象的な天使の名を持つ少女。
「仲良くしてね!」
屈託のない笑顔と共に言われた言葉に、言葉を失ったことは、今でも記憶に新しい。共に女王の座を競う相手にその言葉は
ないだろう…と思ったのだ。もちろん、生まれながらの女王の自分が負けることはないという自身はあるけれど。
(私、莫迦にされているのかしら……)
そう思ってはいても、どう見てもあの天然物の笑顔の中に裏を探すことは難しくて。本音なんだろうとはすぐにわかったが。
生まれながらに女王候補として育てられたロザリアと余りにも正反対で、自然体な少女。すっかり毒気を抜かれてしまった
のであった。
「まったく、あんたって子は……」
もうすっかりロザリアの口癖となってしまった言葉。大陸の育成がおぼつかないアンジェリークの面倒を幾度となく見てしまう
のだ。
「もう少し、私のライバルと呼ばれるにふさわしい人物になって頂戴」
「うん……。でもね。私、ロザリアのこと、ライバルって思ってないのよ」
「……あんたね」
頭を抱えたくなる。最初のフワフワという第一印象は間違ってはいないようだ。だが、そんなロザリアにアンジェリークは屈託
なく笑う。
「だって、ロザリア、優しいじゃない。私だったら、ライバルにそんなふうに優しくできないもの」
「あんたが頼りないからでしょ」
この屈託のない笑顔と言葉に何度、毒気を抜かれただろう。認めたくはないが、かなわない…と思ってしまう。
「それに私、ロザリアのこと、大事な友達だと思ってるから」
「友達って……」
「同じ目標を競い合う友達じゃ駄目? そういう友達もありでしょ?」
迷いのないエメラルドグリーンの瞳。反らすことなどできるわけがない。
「そう思うのなら…私の手を煩わせないで。いくら、友達でも、依存してばかりじゃ駄目じゃない」
悔しいけれど、認めてしまっているから。フワフワで、屈託がなくて、まっすぐで、あどけなくて。ついつい面倒を見てしまうのは、
何よりも自分がそうしたいから。天使の名に相応しい笑顔を見るのが、何よりも嬉しくて。
「うん。ロザリア、大好き」
満面の笑顔で抱きついてくる。
「ちょ、アンジェリーク!」
スキンシップは正直慣れていなくて。つい、硬直してしまう。だが、アンジェリークは離れない。
「女王試験が終わっても、友達でいようね……」
「当たり前でしょ」
ぷいと顔を背けるのは精一杯の照れ隠し。
「あんたみたいな子を一人にできるわけないじゃないの」
そう言ってしまうのは彼女なりの優しさだと知っているから、アンジェリークは何も言わずに頷く。二人の少女たちの固い絆は、
やがてこの宇宙を守る力となる。
なお、この日を境にアンジェリークを想う守護聖たちのハードルが更に高くなったと言うのは、また別の話となる。
どうしよう、書いてて幸せすぎるよ、私…。これはいつも素敵なイラストをくれるRINちゃんに捧げます。うふふ。これで、
シゲ×将の話はなかったことにしようね(笑) 八戒×悟空は捨てがたいけど。
|| <Pureness Angel> ||