So sweet

 甘いものは正直好きではない。けれど、目の前の少女は甘いものが大好きで。…ほっておくと抜け出しかねない性格の持ち主で。(実際、それでロザリアやジュリアスが苦労しているのを知っている)
「わぁい、ありがとう♪」
 テイクアウトで買ってきたケーキはエンジュに頼み込んでセレスティアで買ってきてもらった。頼んだ時、一瞬きょとんとしていたが、すぐにくすくすと笑い出して。
「陛下がお好きそうなの買っておきますね」
と、言われた日には自分が情けなくてたまらなかった。すっかり、読まれている。って言うか、いつそういう風に見られたのか。思い当たるのは、エンジュを招待したお茶会ではあるのだが。
「いやぁん、どれも美味しそう」
 色とりどりのケーキを前に嬉しそうに笑う少女はぷいと顔を背ける。
「どれにしよう、迷うなぁ……」
 目をきらきらさせながら、ケーキを見つめる少女はとても宇宙を治める思考の存在とは思えない。けれど、そういうところが気に入っているのも事実で。そうでなければ、見るのも嫌いなケーキをわざわざ買ってきてもらうはずがない。
「ゼフェルは食べないの?」
「食えるかよ、こんな甘ったるいもん」
「……じゃあ、全部私に?」
「……でなきゃ、どうなんだよ?」
「嬉しい」
 無邪気に笑う少女。これがこの宇宙で唯一にして、至高の存在であるだなんて誰が思うだろう。
「おめーの作ったもんなら、食えるんだけどな」
 ボソッといった言葉に少女はくすりと笑って。
「じゃあ、お礼に甘くないお菓子作るわ」
「あ、別に催促したわけじゃ……」
 ゼフェルは慌てて首を振るけれど、それはふんわりとした笑顔と告げられた言葉に封じられた。
「うん、分かってる。私がそうしたいの」
 無邪気に告げられる言葉に何ともいえない気分になる。それでも、満たされる想いでいっぱいだった。恥ずかしい思いをしてまで、買ってきたもらった甲斐は十分にあると思った。


5月の拍手お礼のSSに若干の修正を加えました。ゼフェリモはこういう可愛い話がかけるから、好きv

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