さらさら


 さらさらの栗色の髪に櫛を通して、アンジェリークはまじまじと鏡を見る。
「ふわふわの髪って、可愛いなぁ……。いいなぁ……」
 癖一つないさらさらのストレートヘア。痛みにくく、手入れも普通程度なのに、つやつやキューティクル。ある意味、刺されかねない発言である。こんなことを言ったら、親友兼女王補佐官のレイチェルに叱られるかもしれない。(もちろん、女王補佐官の立場としてではなく、親友として、である)
『贅沢だよ、アナタは。私なんか、苦労してセットしてるのに〜』
 見事なウエービーなヘアは努力の賜物らしい。
「アリオスはどう思う?」
 とりあえず、恋人に問いかけてみると、一瞬、何を言ってるんだという顔をされてしまった。少しばかり、むかつくが、ここは我慢することにする。
「どんな頭でも、お前には変わらないだろう?」
「でも、ふわふわの髪って、可愛く見えない?」
「うちの補佐官殿はそういう風には見えないが」
 黙っていれば、そうでもないのかもしれないが、レイチェルは見た目も中身も自我が強い。ふわふわ野上にしているから、見えるとは限らない例が身近にいるのに、どうして、そうしたいのかが理解できない。
「え〜。でも、陛下もエンジュも可愛いわよ?」
「あれは中身が天然だからだろうが……。大体、天然が一番怖いこともあるんだぜ?」
「?」
 アリオスの言葉に疑問符を顔に浮かべるアンジェリークであるが、アリオスにしてみれば、天然で守護聖を振り回す神鳥の宇宙の女王には色々とあったわけだから、避けて通りたい人物であるし、エトワールであるエンジュは下手に普通に会話をしていたら、某光の守護聖や某闇の守護聖が何かとうっとうしい。前者はまだ絡んでくるだけであるが、後者は呪われそうな勢いで見られるのだ。
「お前は俺の腕の中で可愛ければ、それでいいんだよ?」
「……そうなの?」
「ついでに言うと、お前のそのさらさらの髪が好きなんだよ。だから、勝手に手を入れるな」
「……うん」
 可愛くなりたいという思いにうそはないけれど。好きな人が可愛いといってくれるのが一番だから。アンジェリークは素直に頷いた。



以前、ふわふわの頭だから、頭も軽いんだと言われ、ストレートパーマをかけたいと言うリモを書いたので、逆の話を…と。
うちのコレットは可愛くないと自分で思ってる子だから、可愛くなりたいと思ってるんですよw

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