女王陛下と魔天使様
色とりどりの花が咲き誇り、常に穏やかな気候。女王陛下のお膝元である聖地はある意味、楽園だとか天国だとかという言葉が相応しいのだろう。
「私は先代の女王陛下から与えられたものを受け取っただけよ。創世記の女王であるアンジェリークに比べたら、平凡かもね。大変だって言ったら罰が当たっちゃう」
冗談めかした言葉とともに、ふわりと微笑んで、金の髪の、同じく天使の名を持つ、神鳥の宇宙の女王アンジェリークは淹れたての紅茶に口をつける。
「滅びかけていた宇宙をそのまま受け止める器を作っといてよく言うぜ。そして、それを維持する力をも持ってる女王のどこが平凡なんだか」
アリオスの皮肉にも、金の髪の女王は動じない。何よりの大物ぶりはこういう一面なのだ。女王試験を経て、女王に選ばれたらしいが、それは宇宙が彼女を選んだのだろう。平時の女王なら、現在の女王補佐官、ロザリアの方に軍配が上がるはずだ。変化をもたらすものは常に囚われることのない、自由な発想を持つのだろう。それはアリオス自身がアンジェリークを見ているから余計にそう思うのかもしれない。
だが、聖獣の宇宙の守護聖の大半以上はこの宇宙の出身者で、女王であるアンジェリークやレイチェルとはき心は知れているから、それなりにやれている。…聖獣の宇宙出身の3人のうち2人に関しては、アリオスも何ともいえない。一番常識がありそうなのが、ユーイであるところがなんだかなぁとも思ってしまう。それでも、3人である。この目の前の金の髪の少女はあの個性的な守護聖たちを相手に毎日やり取りしている。それはそれですごいとも思うのだ。それを平凡だと誰が言い切れるだろう。アリオスなら、切れているかもしれない。今だから、いえる話である。
「私とアンジェリークの間で共通するのは、宇宙が大事だったことだけど。これは誰だって思うことじゃない?」
そう言い切ると、金の髪の女王はお茶のおかわりを手ずから淹れた。
「買い被ってくれるのはあまりありがたくないわ。私の力のなさで一度はこの宇宙に危機を招いているんだから」
「……」
その言葉の意味するところは、一つであろう。転生して、今は妹宇宙の女王の側にいて、彼女のために動いているとはいえ、彼がかつてやってしまったことが覆るはずもない。
「別にあなたを責めてるわけじゃないわ。嫌味でもないの。そんな遠回りなことをするくらいなら、私は最初からお茶になんて誘いはしないわ」
「だろうな。それがあんたのはずだからな」
女官が控えているからと言って、かつての罪人とお茶をするなんて…と、お堅すぎるこの宇宙の光の守護聖は反対していただろう。それらをふわりと笑顔一つで黙らせてしまうのはある意味才能である。
(つーか、すごすぎねえか?)
エトワールの働きで、聖獣の宇宙の守護聖は集いつつはある。初めて迎える守護聖たちは個性にとてもあふれすぎている。
だが、聖獣の宇宙の守護聖の大半以上はこの宇宙の出身者で、女王であるアンジェリークやレイチェルとはき心は知れているから、それなりにやれている。…聖獣の宇宙出身の3人のうち2人に関しては、アリオスも何ともいえない。一番常識がありそうなのが、ユーイであるところがなんだかなぁとも思ってしまう。それでも、3人である。この目の前の金の髪の少女はあの個性的な守護聖たちを相手に毎日やり取りしている。それはそれですごいとも思うのだ。それを平凡だと誰が言い切れるだろう。アリオスなら、切れているかもしれない。今だから、いえる話である。
「私とアンジェリークの間で共通するのは、宇宙が大事だったことだけど。これは誰だって思うことじゃない?」
そう言い切ると、金の髪の女王はお茶のおかわりを手ずから淹れた。
「じゃあ、俺のライバルは補佐官殿ではなく、宇宙ってところかよ?」
そう毒づいた振りをすると、金の髪の女王は乗ってくれる振りをする。
「ええ。でも、あなたはそんなあの子が好きでしょう?」
悪戯っぽくも可愛らしく。無邪気はある意味最強なのかもしれない。
「あいつも苦労してるんだろうな?」
「?」
アリオスの呟きに首を傾げる金の髪の女王にアリオスは何でもねぇよ、と首を振った。
コピー本より再録。三部作の第一弾。リモとアリオスってめったにない取り合わせですが、書くのは好きv
|| <Pureness Angel>