オレンジ

  色とりどりのイルミネーションに溢れる街。流れるクリスマスソング。それを見下ろしながら、
「ったく、イベントごとが好きな連中だよな」
と、燕尾服姿のアリオスが一人ごちる。金の髪の女王の収める宇宙のクリスマスパーティに招待されたのだ。
内輪でゆっくりとしたパーティをしたいんだけど、と招待を受けた。内輪なら、深宇宙の住人である自分たちは
関係ないのでは…という意見はもちろん却下された。
「お待たせ〜」
 明るいオレンジのドレスをまとったアンジェリークがようやく現れる。
「ふふん、いい感じでしょ?」
 ラベンダー色のドレスをまとったレイチェルが自信作とばかりにアリオスに声をかける。
「じゃ、ワタシはとうへんぼくな人を迎えに行ってくるから、アリオスはアンジェのエスコートをよろしく!」
 意気揚々と王立研究員に向かうレイチェルを二人は苦笑しながら、見送る。
「普通はエスコートは男の役目なんだけどな……」
「レイチェルらしいというか……」
 象牙の塔の住人を引きずり出せるのはレイチェルしかいない。おそらく、ロシキーも協力はしてくれるはずだ。
「ねぇ、似合う? レイチェルは私にはオレンジが似合うって言ってくれたんだけど……」
 くるりと一回転して自分の姿を見せてくるアンジェリークは女王というよりは年相応の少女だ。
「いつもは赤が多いからな……。いいんじゃないか、お前は原色系の色が似合うと思うぜ」
「……」
 きょとんとしたような顔でアンジェリークはアリオスを見つめる。
「何だよ?」
「ううん。アリオスがそう言ってくれるとは思ってなかったから……。『馬子にも衣装』って言うのがせいぜいだと
思ってたから……」
「おまえな……」
 確かにからかう言動は多いけれど、こうも疑われるのはどうかと思う。
「あ、でも。嬉しいのよ? どんなにおしゃれをしたって、好きな人がほめてくれるのが一番嬉しいでしょう?」
 にっこりと微笑んでそう言ったアンジェリークにアリオスは勝てないものを感じてしまった。
 


こういうクリスマス話もありかと。…と、とりあえず、一日ではこれが精一杯……。

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