お茶請け
日の曜日の約束の地。少女が何時も赴く場所。そこには彼女の大切な人が待っているから。
「アリオス!」
「来やがったな……」
そして、今日も二人の時間が始まる……。
「今日はここでお茶にしましょう。お茶とお菓子を持ってきたの」
そう言って、バスケットを取り出して見せる。中には水筒とお菓子らしき包み。
「ルヴァ様にお菓子とお茶の葉を頂いたの。珍しいものだから、一人で食べるのも勿体無いし」
創言って、少女が包みから出したのは花をかたどった塊。何かを固めて作ったものらしい。
「食いもんか、これ……?」
「お菓子よ。レイチェルや陛下ともいただいたけど、美味しかったの♪ 食べてみてよ」
「……」
言われるままに小さめなのを一つ手に取る。口にした瞬間、アリオスは緑茶で流しこんでしまった。
死ぬほど甘い…のだ。これが洋酒を効かせたケーキならまだよかったのだが、これはひたすらに甘いだけだ。
「これ、<らくがん>っていうんですって。お砂糖で出来たお菓子だってルヴァ様に伺ったの。緑茶にあうんですって」
コップに淹れているのは、緑茶。確かに合うと言えば合う。だが、この甘さはアリオスにとって苦痛以上の何者でもない。
「あら、一つだけでいいの?」
それ以上、食べようとしないアリオスを不思議そうに見つめる。あの甘さが平気な少女の方が不思議でならない。
「生憎、甘いものは食べつけねえからな」
「そうなんだ。勿体ないわね。甘くて美味しいのに」
そう言って、2個目に手を伸ばす少女を見ているだけで口の中が甘ったるくなる。仕方なく緑茶を啜る。
「どのくらいの甘いものなら平気なの?」
「そうだな……」
しばらく思案して、不意に口の端に笑みを浮かべる。彼がこんな笑みを浮かべるのは大抵なにか、悪戯を思いついた時。
「な、何?」
思わず、身構えてしまう。だが、その前にアリオスに引き寄せられていて。
「あ、アリオス……」
「俺の好みの甘さはな……」
唇が触れるギリギリで告げられる言葉。だが、最後まで告げられる事のないまま、唇が塞がれる。
「ん〜」
味わうように濃厚に口づけられ、アンジェリークは身じろぐが、力でかなうはずもなく。されるがまま。
「ご馳走様」
楽しそうに笑みを浮かべるアリオスをアンジェリークはキッとにらみつける。もっとも、潤んだ瞳ではまったく逆効果なのだが。
「何するのよ!」
「……この甘さが丁度いいんだよ」
アンジェリークの唇を人差し指で抑えて、いけしゃあしゃあと告げて見せる。
「もっと、食わせろよ」
「馬鹿……」
「言ってろ」
重ねた唇はやはり甘くて。何時までも、味わいたくなる。極上の甘さを何度も味わうかのように、口づけは続けられた。
3月11日のインテックスのイベントでお菓子を戴いたのですが、お名前を聞きそびれてしまったので……。お礼の創作です。もし、
これを見ていたら、名乗り出てくださると嬉しいです。お礼になってないと言われれば、それまでなのですが……。
|| <Going my Angel> ||