ここ数日、雨が降り続いていて、ようやく晴れたのが今朝のこと。夏に差し掛かる前のこの季節は暑く、そして昨日までの雨の湿気のせいか、蒸し暑い。 「エルヴィン〜」 ミルクをあげようと思い、陽だまり邸中を探していたアンジェリークはやがて屋敷の裏庭のほうで『にゃぁん』という返事にたどり着いた。 「まぁ、エルヴィンたら」 木陰で涼しげに寝転んでいるエルヴィンにアンジェリークはくすくす笑う。ためしに、エルヴィンの隣に座ってみると、そこは風が心地よく吹きぬける場所だった。 「エルヴィンったら、こんな素敵な場所を独り占め?」 「みゃう〜」 のどを撫でてやると、甘えたような声を上げて、エルヴィンはアンジェリークにすりすりと擦り寄る。 「あれ、アンジェ? 何をしているんだい?」 庭の手入れをするのか、園芸道具を持ったジェイドがやってきて、不思議そうな顔をする。 「ジェイドさん。エルヴィンがこんな素敵な場所を独り占めしてるんですよ」 「……ああ、なるほど。ここは涼しいね」 「しばらく、涼みません? 私も後でお手伝いしますから」 「それは素敵な提案だね」 ニコニコとジェイドは笑う。 「空が綺麗〜」 「本当だ〜」 二人して、空を見上げて、つかの間の休息を楽しむ二人と一匹であった。
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