「ニクスさんがこれをつけると見ている人が幸福になれるというアーティファクトをつけてみたんですけど、どうでしょうか?」 「……」 うさぎの耳を模したヘアバンドらしきものをつけて問い掛けて来るアンジェリークをヒュウガはいつものように真面目な顔で見つめる。 「あなたは幸せになれるのか?」 ようやく口を開いたかと思えば、そんな問い掛けで。アンジェリークは小首を傾げて考える。 「うーん。ちょっと恥ずかしいですけど、ヒュウガさんが幸せな気分になれるのなら、嬉しいです」 ニッコリと笑って告げられる言葉に嘘などあるはずがなく、ヒュウガも微笑を零した。 「あなたが幸せだというのなら、俺も幸せだと思う……」 「そうなんですか?」 なら、よかったと嬉しそうな顔をするアンジェリーク。 「……」 「ヒュウガさん?」 不意に黙り込んだヒュウガにきょとんとするアンジェリーク。やがて、ヒュウガの手が頭を撫で始めた。 「えーと。ヒュウガさん?」 「あ、すまない。あなたが愛らしく思い、何となくこうしたいという衝動に駆られた……」 慌てて手を放すヒュウガにアンジェリークは首を振る。 「あの……。嫌じゃありませんでしたから……。なんか、こんな風に頭を撫でてもらえるなんて久しぶりですし。嬉しかったです」 「そう、なのか?」 「私が幸せな気分になっちゃいましたね」 「それなら、俺も幸せになれる」 「じゃあ、このアーティファクトの効果は十分でしたね」 「あなただからだろう」 「え、そうなんですか?」 ヒュウガの言葉にあどけなく首を傾げるアンジェリークに、ヒュウガはただ笑みを零すだけであった。 。 |
|