Morning Wars


 パタバタバタ。元気のいい足音。これで一日が始まる。フリルが沢山の黒の上下に白と言ったエブロンドレスのメイド服が
少女の戦闘服。ちなみにスカートは膝上10cm。
 窓を開け放ち、朝の空気を入れ換えてから掃除を始める。その間にスープをコトコトと煮込んで。
「さ、そろそろご主人様を起こさないとね」
 朝の支度をあらかた終えて、少女は気合いを入れる。水差しには冷たい氷も入れてから、アンジェリークはご主人様の
部屋に向かった。
「ご主人様。朝ですよ、起きてください!」
 揺さぶっては見るが、彼女の主は起きる様子を見せはしない。だが、ここで諦めれば、メイドとしての沽券に関わる。
「起きて下さらないなら、実力行使に出ますよ!」
 取りあえずの最終通告。だが、ベッドの中の塊は動く気配すらも見せはしなかった。
「仕方ないわね」
 溜息を一つついてから、アンジェリークは水差しから氷を一つ取り出すと、おもむろに彼の首筋に滑らせた。
「!」
 ガバッとベッドの主が起き上がる。ある意味、寝耳に水よりもひどいかもしれない。
「おはようございます、ご主人様」
 その名の通り、天使の笑顔を浮かべて、アンジェリークは主に朝の挨拶を述べる。
「おまえ、それが雇い主に対する態度かよ」
「ご安心ください。カインさんには許可をいただいてますから」
 腹心の部下の名を出されて、アリオスは眉をしかめる。
「おまえの主人は俺だろうが」
「ええ、ですから、ご主人様が仕事に遅れないように朝に起こすのが私の役目でしょ。さ、シャワーを浴びてください」
 にっこりと笑顔でアリオスを促すと、アンジェリークは下がろうとするが、その行動はアリオスの腕に引き留められた。
「ご、ご主人様?」
 思わず身構えて、アリオスを見上げると、不敵な笑みを浮かべたアリオスがいた。
「目が覚めちまったから、責任をとってもらわねぇとな」
「な、何の話ですか!」
 暴れようとじたばたするアンジェリークであるが、力の差で叶う筈がない。
「目が覚めたのはいいが、別の所も覚めちまったからな。責任とってもらわねぇとな」
「な、何が〜!」
 捕まれた腕に触れさせられたものにアンジェリークは真っ赤になる。アリオスは寝る前には何もつけてはいない。導かれ
たのは下半身のある部分。
「セ、セクハラで訴えますよ〜」
「訴えてみろよ。その前におまえが溺れるのが先だろう?」
 グイッと腕を引かれて、ベッドに引きずり込まれる。
「ちょ、ちょっと、私、朝の支度が〜!」
「朝の準備は全部終わってるだろう?」
 少女の行動パターンはすべてお見通しだとばかりにアリオスは笑う。実際、後はパンをトーストするだけの状態だ。
「シ、シャワーを浴びてくださいってば〜」 ベッドに引きずり込まれた勢いで捲くり上がったスカートからのぞく太腿を撫で
上げられて、アンジェリークは身を竦める。
「シャワーか? そうだな」
 アリオスの言葉にアンジェリークはホッと息をつく。
「浴びるついでなら、かまわねぇってことだよか?」
「ち、違う〜!」
 だが、それ以上の抵抗は取り合ってもらえない。なし崩しにアンジェリークはアリオスにバスルームに連れ込まれて
しまった。

 しばらくしてから、バスルームから甘い声が零れてきたことは言うまでもない。
 


とりあえず、謝ります。ごめん、ゆきねこさん……。