未来予想図


 それはまだ女王試験が行なわれている時のこと……。
「メルさんの占いはよく当たるんですよね……」
 学芸館では毎日女王候補二人の学習に関してのミーティングと称して、朝食後にお茶をするのが
習慣になっている。もっとも、完成の教官は気紛れで来ない日もあるが。そんなひとときの間に何気
ないティムカの発言。
「ああ、女王候補たちも足繁く通ってらしい。年頃の女の子ってのは、ああいうもんなんだな」
 その言葉にはかなりのジェネレーションギャップの重みを感じさせる。
「今度、僕達も占ってもらいますか?」
「おいおい。この俺が女王候補たちに混じってか?」
「僕もご一緒しますから」
 などとなごやかな会話が進んでいる中で、セイランは一つ溜め息を吐く。
「止めとけば。占いなんて、言うことは皆一緒なんだからさ」
「?」
 その言葉にティムカとヴィクトールは顔を見合わせる。
「でも、メルさんの占いは当たるって評判ですよ。だからこそ、この聖地に招かれたんですし。それを
疑うなんて……」
 年が近いこともあり、すっかり仲良しさんの関係であるメルをかばうティムカ。セイランは軽く首を振る。
「別に疑ってるわけじゃないけど……。僕の場合がそうだったからね」
「どういうことだ?」
 ヴィクトールの問いにセイランの眉が微かにしかめられる。
「まぁ、話を振ったのは僕だから、話すけど」
 そっぽを向いてセイランは言った。
「旅先でさ、たまたま時間があったから。手相を見てもらったんだ。そしたら、その占い師、僕の手相を
一目見るなり、『貴方よく人に変わってると言われるでしょう』と断言したんだ。よく見もしないで、失礼な
話だよ」
「……」
 次の言葉に困り、ヴィクトールとティムカは顔を見合わせる。その占い師の占いの腕が確かなことが
とてもわかるから。
「で、でも……。メルさんなら、きっと違うこと言ってくれますよ」
「どうだか……」
 気まずい空気が流れる中、紅茶が静かに冷めてゆくのであった。

これは実話です。だって、私のことですもの。このセイラン。嫌いじゃないのよ。嫌いだったら、書くはずないじゃない。


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