正しい地図の見方


「商人さん、この地図、間違ってる〜」
 まだ、女王試験が始まって間もない頃、聖地に不慣れなメルのために、チャーリーが簡単な地図を作って与えたのだ。
「そないなことないと思うで。判りやすいって、ティムカさんやヴィクトールさんはいうてくれたし」
「でも、メルは判りにくいんだもん〜」
「とにかく地図を見せてみ」
 地図を広げ、示してくる。
「ああ、見方を間違ったんやな……」
 ペンを取り出して、説明を始めるチャーリー。うんうんと頷きながら、メルは聞き入っている。
「わかったか?」
「うん、メルが間違ってたんだね」「ええから、気にせんと……」
 シュンとなるメルの頭を撫でてやる。
「やれやれ、客を放っておくなんて、いい身分の店だね。ま、事情は判ったけど」
「えらいすんませんな」
 一を言えば、万以上の皮肉が帰ってくるのは十分に理解している。ここはおとなしくしているのが、利口である。だが、敵は
生易しくはなかった。
「メル、いいことを教えてあげるよ。地図の見方よりも、根本的に間違ってるものがあるよ」
「何?」
「彼の人間性だよ」
 きっぱりと言い切るセイランに妙に冷たい空気が流れる。
(間違ってんのはあんたの人間性や!)
 喉元まで出かかった言葉を飲み込んでしまう。この人だけは敵に回すまい、そう心にちかって……。
 

不毛だ、チャーリー……。

<聖地お笑い劇場>