オムレツ

 バターをたっぷり使ったふわふわのオムレツはエンジュの得意料理であった。故郷の実家は牧場を経営していて、絞りたてのミルクでフレッシュバターを、放し飼いにしている雌鳥が生んだ新鮮で健康な卵。これだけがあれば、最高のオムレツが作れてしまうのだ。
「田舎育ちの方がある意味、贅沢なんだな」
「田舎育ちは余計です」
 レオナードの言葉を、エンジュはぴしゃりとやり過ごす。日の曜日に、誘いのメールを送った方の立場でありながら、俺様な態度なままなのはある意味、彼らしいと言えば、彼らしいのだけれども。場所はエンジュが選んだから、それはそれでレオナードにしたら、譲ったことになるのだろう。
「他に何か作れんのか?」
「失礼ですね。これでも、家の手伝いはしてきたんですよ?」
 牧場のお嬢さんだからといって、のほほんとしているわけではない。できることは各自がやっていかなければならないのだから。
「シチューとか、ボルシチとか」
「大鍋いっぱいに作るんだろ? あれは美味いよな」
「ですよ〜」
「パンを焼いたりするのも好きですし。私の部屋、ミニキッチンしかないからもどかしくて〜」
 アウローラ号に備え付けのキッチンはお茶を出すにはいいのではあるが、料理をするのにはひどく不便なのである。
「じゃあ、今度。俺様の私邸に来いや。で、食わせてくれよ」
「え〜」
「俺様も作ってやるから、な。お前も付き合えや」
「どういう理屈ですか……。でも、楽しそうですね〜」
「じゃ、そういうわけだな」
 なんだかんだで成立してしまった約束に二人は顔を見合わせて笑った。

ふわふわのオムレツ、私が食べたいですw エンジュはこう、田舎育ちののんびりお嬢さんがやっぱりいい。(アニメに根を持ってるらしいorz)

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