ぷちデコレーション
「ほれ、食えや」 そんな言葉と共に出されたのは小さいながらも、ちゃんとしたホールのデコレーションケーキだった。 「……何なんですか」 訳が分からず、エンジュは困った顔をする。聖天使となっても、宇宙を飛び回る日々。今も、聖地に戻って来たばかりで。朝一番についたので、朝食も取らずに早速レイチェルに報告に行こうとしたら、レオナードに掴まり、有無を言わずに彼の執務室に連れ込まれ、今に至る。 「忘れてんのかよ?」 「何を?」 エンジュの言葉にレオナードはやれやれと肩をすくめると、ケーキの真ん中に赤いろうそくを、その下にうさぎの形のろうそくと数字のろうそくをさす。 「……この数字、私の年寄り一つ多いですよ?」 「お前、そこでぼけんな! まだ、歳を気にするわけでもないだろ!」 「は?」 「本気で忘れてやがる……」 今度は本気で脱力したらしい。 「お前さんの誕生日だろうが……」 「へ……?」 ポケットした顔をするエンジュにレオナードは大きくため息をついた。 「宇宙大好きな聖天使が自分の誕生日を忘れてるかもしれないって、皆言ってたけどねぁ。そこまでボケボケだったとはなぁ……」 「ボケボケって……。ひどくないですか?」 自分の誕生日を忘れていたのは仕方ないとしても、ボケボケとは言いすぎだろうとは思うのだ。 「人の誕生日を覚えてるのに、てめえのは忘れてるのはボケボケっつ〜んだよ。ほら、食えよ。飯も食ってないんだろう? 食うまで、出さねえぞ? 補佐官とこに報告にいけないぜ?」 「こんな脅迫を受けた誕生日のお祝いなんて初めてです……」 「細かいことは気にすんな。陛下主催の誕生日パーティーがあとであるからな。とりあえず、とっとと食え」 「はぁい」 切り分けてもらえるかと思ったら、そのままフォークを渡されて。 「そのまんま食ってみろよ。憧れだろ? 大人食い」 「……実はそうだったりします」 ホール丸ごとのケーキを切り分けずに食べるのはある意味憧れだったり下ので、結構嬉しかったりする。小さいサイズのデコレーションケーキなので丸々一人で食べられるのだ。 「いただきまーす」 遠慮なくケーキを切り崩して、一口目を口に運ぶ。 「美味しい〜」 「そうか、そりゃよかった」 幸福そうにケーキを食べるアンジェリークにレオナードも満足げに笑う。晴天氏の誕生日を一番に祝えることにレオナードもまた満足していたのであった。 |
今年はレオエンで書いてみましたw 自分への誕生日プレゼントです。ケーキはもちろん、レオナードのお手製ですw
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