流星のつぼみ

 たった一人のオンナに執着する日が来るのなら、極上のオンナに限る…と、レオナードが考えていたのは、それこそ半年前のこと。地下クラブのオーナーをしていた頃はオンナに困ることはなかった。一夜限りの恋なんてザラであった。
 だが、そんな出会いはなかったし、出会う運命があったかもしれないが、その可能性は当分の間、閉ざされてしまった。小さな流れ星との出会いで。
 カントリー風な服装におさげ髪。あどけない顔立ち。蕾にすらなってない、精々双葉だ。レオナードの基準にはかなり程遠い、そのはずだった。
「こんにちは、レオナード様!」
 いつも屈託ない笑顔で執務室を訪れる。
「拝受をお願いしますね」
「今日はお話してください」
 ころころ変わる表情。けれど、その表情の中でも笑顔が一番だと思う。…と、そう考えている時点で、かなり末期な事に気づいたのは後の祭り。気がつけば、目が離せなくなっていた。
「宗旨替えした覚えはないぞ、俺……」
 極上の女にはまだまだ程遠いはずだ。なのに、気がつけば、心の中は少女でいっぱいで。双葉を摘んでしまうなんて、立派ではないけれど、いいオトコのやることではない。そう思ってはいるのに。
「何で、お前でなきゃ意味ねえんだろうなぁ……」
 ひとところにとどまらない流星は気を抜くと、レオナードのそばを通り抜けてしまう。それを捕らえるのは困難なことだ。流星を手に入れたがっている人間はほかにもいるのだから。
「……、蕾にはなってないけどな。いいオンナに俺様がしてやればいい、か」
 そう不敵に笑うと、レオナードは獲物を捕らえる獣の目の輝きを見せた。

エンジュのがらみで、レオナードの話だと、まともな話になるのは何故なんだろう……。

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