いつかの Marry Christmas

 

 

 

―― そう、『あれ』を見つけたのは、クリスマス・イヴの少し前。

              アリオスとデートしている時に見つけたの ――

 

 

「うわぁ、可愛いーー!! ねぇねぇ、アリオス、見て!!」

アンジェはアリオスの腕を引っ張って、ある物を指差した。

そこは大通りから少し離れた路地に入った所にある小さなジュエリーショップだった。

その店のショーウィンドウに飾られていたのは、ペンダントとピアスのセットだった。

ペンダントは小さな一粒のブルーサファイアを天子の羽根をモチーフではさんでいてる。

とても可愛らしいデザインだった。

ピアスはペンダントと同じブルーサファイアが使われいて、デザインはペンダントと同じだった。

アンジェはジッとそれを眺めていた。

「何だよ、欲しいのか?」

「べ、別にそういう訳じゃないけど・・・・・・・・」

「それより、急がねぇと映画が始まるんじゃねぇか?」

アリオスは、ちらっと腕時計を見て言った。

「えっ! 急がなきゃ!!」

アンジェはアリオスの腕を勢いよく引っ張って、映画館へと走り出した。

「おい!! 引っ張るな!!」

アリオスは、そう言いながらも、しっかりとアンジェについて歩いていたのだった。

 

 

―― そして、24日のクリスマス・イヴを迎えたの ――

 

 

「うん! これでよし!!」

アンジェは夕食の味見をしていた。

ここは、見晴らしの良い高層で高級マンションの一室で、アリオスの部屋である。

ちなみに、彼は若者の間では有名なダンスクラブのオーナーをしており、いつも多忙だ。

(今回は、ちょっと我儘しちゃったかな・・?? カインさんにも迷惑かけた、かも・・・多分)

アリオスとアンジェが知り合ったのは、彼の経営するクラブだった。

その馴れ初めは、また次のお話で。

カインは、アリオスの片腕で、クラブの副オーナーを任されている。

ちなみに、妻帯者で、一児のパパである。

「アリオス、遅いなぁ・・・仕事が長引いてるのかな・・・??」

アンジェはチラリと壁時計を見た。

時刻は、夜の8時を過ぎていた。

『ピーンポーン』

ドアチャイムが鳴った。

「はぁーーい!!」

アンジェはエプロンを着たまま、玄関へと向かった。

『ガチャ』

アンジェが玄関に着くと、既にアリオスが帰ってきていた。

「アリオス、お帰りなさい」

「ただいま」

「夕食は後少しで出来るから、シャワーでも浴びてきて。

 外は寒かったでしょ?」

「イヤ。お前の夕食のほうがいいな」

アリオスはアンジェの額に軽くキスをした。

「〜〜〜〜〜!!!」

アンジェはいきなりだったので、顔を真っ赤にした。

「もう、アリオスのバカッ!!」

アンジェはヘソを曲げて、台所に逃げてしまった。

「ったく、仕方ねぇな・・・」

アリオスは着ているコートのポケットから、箱を取り出して、その箱の中から『ある物』を取り出した。

そして、アリオスはアンジェは気付かれないように彼女の後ろに立った。

「・・・・・・キャッ!!」

アンジェは首の辺りがヒヤッとしたのに、驚いた。

アンジェは首元を見ると、彼女の欲しがっていたペンダントが静かに輝いていた。

「Marry Christmas、アンジェリーク」

アリオスはアンジェの耳元でそう囁いた。

しかも、何時の間にか、後ろ抱きをしていた。

「ア、アリオス! これ?!」

アンジェは後ろを振り返った。

「クリスマス・プレゼントに決まってんだろ? あのピアスもだ」

「・・・嬉しい。ありがとう、アリオス・・・あっ、あたしからもアリオスに

 クリスマス・プレゼントがあるの」

アンジェはアリオスの腕を解いて、持ってきたバックの中から、プレゼントらしき長方形の箱を取り出した

「はい。アリオス、Marry Christmas!」

アンジェはアリオスにそれを手渡した。

「開けて見て! きっと、ビックリするから」

アンジェは楽しそうに言った。

アリオスはフッと含み笑いをして、プレゼントを開けた。

「・・・・・・・・・・・・・」(絶句)

アリオスはプレゼントの中身を見て、絶句した。

「アリオス・・・・? 気に、入らなかった・・・・・・?」

アンジェはアリオスの顔を覗き込んだ。

アンジェからアリオスへのクリスマス・プレゼントは、

シルバーの楕円形の形をした何もデザインもないシンプルなロケットペンダントだった。

そのロケットの中には、しっかりと一枚の写真があった。

その写真は、アンジェの笑顔だった。それも、最高の笑顔の。

「クッ、気に入らねぇ訳がねえだろ。特にお前のプレゼントはな」

アリオスはアンジェの頬に軽くキスをした。

「・・・・・・あ、雪だぁ」

アンジェは耳まで真っ赤になった顔を窓に向けた。

窓の外は、チラチラと雪が降り出していた。

「わぁ、綺麗・・・・・ねぇ、見て、アリオス。今年はホワイト・クリスマスだね」

アンジェはベランダに出て、嬉しそうに外を眺めていた。

「・・・・・・・・・」(絶句)

アリオスは再び絶句した。

「どうしたの、アリオス?」

「・・・あぁ、そうだな。今年は最高のクリスマスだな」

「?」

アンジェは少し首を傾げた。

アリオスが先刻、絶句した理由は――――――――

  一瞬、アンジェが栗色の髪をした天使に見えて、しかも、あまりにも綺麗で見惚れてしまったからだ。

 

「キャッ!?」

アリオスが、いきなりアンジェを後ろ抱きしたのだ。

「お前が風邪を引かなくするための予防策だ。いちいち驚くな」

「だだだ、だって・・・・・・」

驚くなというほうが無理な話である。

「今年はロマンティックなクリスマスになりそうだね」

「あぁ、そうだな」

二人は、しばらくの間、雪を眺めていた。

 

―――その雪は、雪の精霊の長、女王スノウ・ティアラから

            世界中の恋人たちへの クリスマス・プレゼント ―――

 

                                <おしまい>

 

 

<後書き(か?)

こちらはRYO様へのクリスマス・プレゼント創作です。気に入ってもらえたでしょうか?(何か、不安)

一日で書きました、このお話は。

期日までに間に合うようにかなり急ピッチで。疲れました。

クラブオーナー・アリオスと女子高生・アンジェリークの出会いのお話は書く機会があれば書きたいです。

ではまた。

感想などもお待ちしております。(「こんなのはアリオスじゃない」とか、「もっと甘甘で」とか)

 

 
十分ですよ。サリア様……。私は、嬉しいです〜。(RYO)