Bouquet


「色気がないって言われたんですが、どうなんでしょうね?」
「色気、ですか? どなたに言われたんですか?」
 聖天使であるエンジュの言葉にフランシスは怪訝そうな顔をする。
「レオナード様に言われたんですよ。この間の日の曜日におろしたてのキャミワンピを着ていたら、『そう言う格好で色気がでないのも珍しいな』って。で、思ったんですよ。色気って何でしょうか?
「レオナードと会っていたのですか?」
 フランシスの声にとげが混じるが、天然少女は気づくことなく素直に答える。
「昨日、休日だったので、セレスティアに行ったんですよ。そしたら、ばったりと」
 指名が終えた日の翌日で、誰とも約束がなかったので、のんびりと買い物をしたとエンジュは笑う。レオナードと会った後は、そのままなし崩しにレオナードとセレスティアで過ごしたと苦笑して。フランシスはにこやかに受け答えながらも、内心ではおもしろくはないと思う。聖天使となったエンジュは今まで以上に忙しく宇宙を飛び回り、中々に会う約束ができないのだ。
「可愛いと思って買ったから、色気がどうのかと言われるとあれなんですがね」
 うーんと、首を傾げるエンジュにフランシスは極上の笑みを浮かべて。
「そのような無粋な輩にレディがあわせる必要などないのですよ? レディはそのままで十分に魅力的なのですから、ね」
「そうですか?」
「ええ。そうです」
 思わず頷いてしまいたくなるような笑顔で言われたら、あまり物事にこだわらないようにしているエンジュも納得して。
「じゃあ、次の日の曜日にそれを着て私と会ってくださいませんか?」
「いいですよ?」
「レディの愛らしいお姿を拝見するのを楽しみにしていますね」
 極上の笑顔でそういわれて、悪い気がしないエンジュと、しっかりと日の曜日の約束を取り付けて満足なフランシスであった。

フランシス様が美味しいだけ?

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