ゆきうさぎ
今日は日の曜日。フランシスはエンジュとセレスティアのプレイスを幾つか訪れていた。セレスティアの季節は冬。聖地では感じられない季節の空気をこうして感じるのは不思議な感覚だ。
(レディがいるからこそかもしれませんが……)
そう思いつつ、フランシスは先ほどから雪原で何やら楽しそうに雪遊びをしている。苦手なプレイスではあるけれど、エンジュが喜んでいるのならそれでいいんじゃないかとも思う。心のありようでこんなにも人は変われるのだ。サイコセラピストでありながら、そんなことに今更気付いた自分自身に苦笑する。
「出来た〜♪」
不意にエンジュが歓声をあげる。何ができたのかと思い、フランシスはエンジュに近付いた。
「レディ、それは……?」
小さく固められた雪に赤いこの実と小さな葉がついたもの。何かの形を模したものだとはわかる。一方、エンジュは申し訳なさそうにフランシスを見上げた。
「あ……、雪うさぎです」
「うさ……」
うさぎという単語に思わず現実逃避しかけるが、よく見るとうさぎの形はしていない。赤い実が目で、葉が耳を模しているらしいが、言われなければ気付かない。事実、フランシスは分からなかったのだから。
「大変愛らしいですね。あの生き物を模しているとはとても思えない……」
「良かった、そう言っていただけて……」
安堵したようにエンジュは笑う。
「故郷では雪が降ると、よく作ってたんです」
「それはそれは……小さなレディが雪の中を飛び回る姿が目に浮かぶようです」
「暖かくなると、解けて消えてしまうんですけど、それでも雪が積もると作りたくなるんですよね〜」
ふふ…とエンジュは笑う。小さな赤い目をしたそれはどことなくエンジュに似ているとフランシスは思った。
久々にフラエンが書きたくなって。書いちゃいましたw
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