罪な亜麻色

 亜麻色の髪をお下げにした少女はどこかカントリーめいている。それはとても愛らしいが、髪を下ろせばもっと愛らしいだろう。そう思い、フランシスが本人に話を聞いてみたら、牧場で育ったのだといった。
「ポニーとかに乗るのにはおさげが一番いいんですよ。邪魔にならないし」
 おろそうとは思わないのか、とフランシスが問いかけたところ、にこやかに笑ってそう言った。
「それに、私に似合うでしょう?」
 確信めいた表情。確かにエンジュの他の髪形は想像もつかなかった。
 そして、ある日の曜日のこと。休日は守護聖ともいえど、この身体を休める日だ。そして、自分自身をリフレッシュする。それはいろいろな方法があるが、フランシスの場合は麻があまり強くないので、午前中はゆったりとした時間をすごすことが多い。だが、この日はエンジュをからかって遊ぼうと思い、アウローラ号を訪れてみると、エンジュの返事はOKで。とりあえず、セレスティアを回ってみることになった。


 贈り物の園でエンジュに翼のバレッタを買ってやると、エンジュはフランシスが思うよりも喜んでくれた。こういうところは少女なのだな、と妙に感心してしまう。
「つけてみせていただけますか?」
「え?」
「レディに似合うと思ったのですよ?」
「ええと……」
「ここではなんですから。。とりあえず、乙女の噴水あたりでよろしいですか?」
「ああ、もう。引っ張らないでください!」
 強引にエンジュの手をとって、歩き出す。そして、ふと気づく。手をつないだのははじめて、では?と。
(ああ…レディの手はなんと愛らしいのでしょう……。このまま離したくないほどです)
 どんなことを考えて、どこか高揚感を感じていたフランシスであった。


 ベンチに座らせて、亜麻色の髪を解くとそれは思ったよりもふんわりとして、緩やかなウェーブをしていた。
「少しくせっ毛なんですよ」
「へぇ。レディらしくて、愛らしいですよ?」
「そうですか? でも、これじゃ、動きにくいからお下げにしてるんです」
「ふぅん……」
 他愛ない会話をしつつ、フランシスは髪を適度にすいてやる。それから、バレッタをつけてやった。
「どう、ですか?」
 思っていたよりも、バレッタはエンジュに似合っていた。
「よくお似合いです」
「そう、ですか?」
 ほほを染めて、うれしそうに笑うエンジュにフランシスも嬉しくなる。贈り物は相手の喜ぶ顔を見て、自分もまた幸せになるのだということを改めて認識する。
「私といるときは時々つけてくださいますか?」
「はい」
 素直にうなずくエンジュにフランシスは何よりも満たされた気分になった

たまにはエンジュちゃんを書こうと思いまして。で、バレッタネタですw

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