ミルク

 九月も半ばを過ぎたけれど、日中は結構暑い。家の整理をしていたら、ペンギンさんのカキ氷機を見つけて、むぎは嬉しくなって、氷を作り、シロップだの白玉粉だの、小豆だのを用意した。
「依織くんは宇治金時にしたの。白玉も入ってるし、あんこはね、鈴原家の味だから、あんまり甘くないんだよ」
「ふふ、おうちでカキ氷なんて、初めてだよ」
「そうなの?」
「すずはあの家でうちの父や真弓さんがカキ氷気を回す姿を想像できる?」
「……ごめん、無理」
「そう言うわけ。甘味どころじゃないと食べないんじゃないかな」
 そう言って、依織はくすくす笑う。
「あたしは、ミルク金時にしたの〜」
 そう言って、コンデンスミルクをかけるむぎ。
「甘そうだね」
「うん。でも、こってりしていて、美味しいんだよ。依織くん、一口食べる?」
 そう言って、むぎはスプーンですくったカキ氷を依織の口元に持っていく。
「うん、やっぱり、甘くなるね」
 苦味のある抹茶のシロップにコンデンスミルクの甘さ。不思議な味覚になる。
「でも、このコンデンスミルクは美味しいね。僕も後でかけてみようかな」
「ふふ、まだあるから〜」
 そう言いながら、むぎも自分の分を食べていった。


 食べ終えて、片付けようとするむぎ。依織も食器を運んで手伝う。軽く洗った食器を依織に拭いてもらい、シロップ類を片付けようとしたら、その手を止められた。
「依織くん?」
「かけてみたいんだけど?」
「え?」
 にっこりと笑い、コンデンスミルクを手に取る依織。嫌な予感がして、逃げようとするけれど、時既に遅く、キッチンは当然狭く。簡単に腕を掴まれて。
「あ、あの……。ここじゃ……」
「美味しそうだね」
 ペロリと首筋を舐められ、むぎの身体がピクンッと反応する。
「うん、美味しい。でも、ミルクを書けたら、どんな味がするのかな……」
 9月の半ば過ぎても、暑い日が続くから、当然むぎの格好は露出が高いもの。コンデンスミルクをたらせば、首筋からねっとりとした白い液体が鎖骨、胸元へと流れていくさまが見える。それはとても男心をそそるもので。
「うん、美味しそうだ」
 舌で丹念に舐めとっていく。
「あ、やだ……」
 身をよじっても逃げることは叶わない。ミルクの伝った後を依織の舌が追っていく。キャミソールの肩紐は落とされ、ストラップレスのブラは簡単に外されて、その肌ごとコンデンスミルクを味わう依織に翻弄されるしかない。
「ここも、甘そうだね……」
 コンデンスミルクを掬い、既に硬くなった胸の頂に塗りこめられて、
「あ、っ……」
 むぎはただ声にならない声を上げる。そのまま依織の口に味わうように絡み取られる。
「おいしい、癖になるかもしれないね……」
 つややかに微笑みながら、ほんの少しコンデンスミルクの残った指先をむぎの唇へと。
「むぅ……」
 キスのときのように口の中を動く指に応えるように、むぎも舌を絡めて。その様子に、依織は陶然とした笑みを浮かべる。
「もっと、もっと、味わってもいい?」
 依織のその言葉にもはや思考がとろけきったむぎは頷くしかできなくて。依織は満足そうに笑い、残りのミルクを手に取った。

別な意味のミルクじゃべただと思ったんですが、色々とすみません。