溢れる液体

 濃密な空気が部屋中を支配する。
「ん、っ……」
 押さえようとしても、押さえ切れない甘い声に依織は唇の端に笑みを浮かべる。白い肌には赤い花が咲き乱れ。それでも、彼女が普段着る服からは見えそうで見えない位置につけているのが、彼がまだ理性を働かせている証拠。
(見えそうで見えない…のも、また一興だろう?)
 彼の下で甘い吐息を吐く少女が聞けば、真っ赤になって抗議するであろうが、今はもうそれどころではない。依織が与える愛撫のすべてに反応し、とめどなく甘い吐息をこぼし続けている。
「もう、こんなに……」
「やだぁ……」
 くちゅり、と溢れるほどに満たされた泉を揶揄されたように感じたのか、むぎの身体は逃げようとする。けれど、依織がそれを赦すはずがない。
「嫌、じゃないだろう? このまま止めてしまっても?」
 わざとむぎの感じる部分を外しながら、むぎの中をかき乱していく。溢れる液体はシーツをもぬらしてしまっていて。依織の指にもどかしさを感じたむぎの腰が自然に揺れるけれど、あえてそれを無視して。
「ねぇ? 素直な君が一番可愛いと思うのだけれども?」
 囁くその声は麻薬のようにむぎの感覚を麻痺させていく。太腿に当たる熱は余裕めいた口調とは相反していて、彼もまたむぎを欲していると言う証。その暑さに、むぎは息を呑む。
「依織くん、あたし……」
 途切れ途切れの声でそっと訴えるその言葉に満足げに微笑むと、むぎの足を大きく開かせて、高ぶった自身をゆっくりと静めていった。

…ごめん、むぎたん。しょっぱなからこれ、で。