子供の逆襲
「ガキだよな、お前」
「どうせ、子供っぽいわよ!」
「そう言って、ふてくされる方がガキだってことだよ」
子供扱いはアリオスがアンジェリークをからかう定番のネタだ。馬鹿よばわりは
まだ自分が天然だったり、無鉄砲だったりするから、仕方ないとは無理にでも納得
づけられる。だが、問題は子供扱いだ。
(どんなに私が大人に近付いても、時間は公平に流れるんだもん……)
十一歳の年齢差ではどうあがいてみたって、立場を引っくり返すことは難しい。
(でも、むかつく……。私かアリオスの歳になったって、アリオスは年上のまま
で…って、あれ?)
不意に思い浮かんだのはある一点の事実。当たり前すぎて、発想の切り替えに
至らなかったのだ。
「おぼえてらっしゃい、アリオス」
開き直った人間は強いのだ、とばかりに、アンジェリークは固く握り拳を作った。
「だから、ガキなんだよ。お前は」
「ええ、私は子供だわ」
「アンジェ?」
いつものように噛みついてこないアンジェリークをアリオスはいぶかしげに
みつめる。
「そりゃあ、よく考えてみたら、『年の功』には敵わないわよね〜」
「おい……」「子供には『年の功』なんてないわけだし……」
と、やたらと『年の功』を強調する。
「おまえなぁ、喧嘩売ってんのかよ!」
「だって、本当のことじゃない!」
やいのやいのいいあう二人に大人げもなにもない。
「どっちもどっちだよ……」
そう呟いたレイチェルの言葉には深い重さがあった。
…アリオスファンの方、ごめんなさい
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