Bitter Gift
「食わせてくれるんだろう?」
金と緑のオッドアイの瞳が妖しく揺らめいて、そう囁かれてしまったのなら、彼のためだけに存在する天使には逆らえるはずもなく。
「これでいい、の?」
ビターチョコレートを口に加えて、腕を首に回して。キスを請うような仕草にどこか浅ましさを感じるのは、すでにこの状況に酔っているからだろうか。
すでに身にまとっていたはずの服は乱されて、しどけない下着姿。しかも、ソファの上ではなく、男の膝の上である。
「食ってやるよ」
その言葉とともに、まさしく食するかのように、チョコレートごと唇を奪われる。すでに熱い口内であっけなくとろけて、ビターチョコレート特有の苦さが広がるはずであるのに、それはどこか甘い、と感じてしまう。
「美味しい?」
問い掛けるその瞳にはもう欲望の色しか映っていない。慈愛の天使は、欲望に塗れて、男の腕の中に囚われる。いや、舞い降りたのだ。
「ああ。悪くはないな」
「良かった……」
零れるのは安堵の笑み。どんな形で食べてもらうにしても、喜んでもらわなければ、意味はない。
「まだ、あるんだろう?」
「うん……」
テーブルの上には色とりどりのチョコレートが並んでいる。次に手に取ったのは生チョコレート。ココアで表面をまぶしたそれは人肌でたやすく溶け始める。
「甘いな……」
指に付いたチョコレートを舐めとられると、背中にゾクゾクした何かが走り抜ける。それを見逃されないわけがない。
「熱い、な……」
触れ合う素肌はすでに熱を帯びている。
「あ、ん……」
羽が触れるような柔らかさで素肌の熱を煽られれば、抗う術などあるはずがない。縋るように抱き付いた天使の肌に更に青年は仕掛けに入る。
「や…何……?」
白い素肌に先ほどの生チョコレートが当てられる。あっけなくとろけたそれは茶色の軌跡を残してゆく。
「やだ、ベタベタしたゃう……」
言葉とは裏腹にその瞳には期待の色。いつだって、彼女の欲しいものは彼の手のひらの中。
「ああ、全部綺麗にしてやるよ」
描かれた茶色の軌跡はすべて拭われて。代わりに赤い花が咲く。
「もう…こんなに溶けてるな……」
「馬鹿……」
揶揄する言葉に睨みつけても、蕩けきった瞳では意味などはなく。この甘さに色を添えるだけ。
史上の甘さを青年は味わい、天使はただ溶けてゆく。むせ返るような甘い香りの中で。すべてを溶かしつくす熱に囚われながら……。
裏っぽいカンジなので、こちらの部屋に……。え、エロっぽく仕上がってるかな?どきどき。