ビターチョコレート
| ほろ苦いそのチョコレートを初めて口にした時に少し後悔した。なんでチョコレートなのに、こんなに苦いのかって。なんで、甘くて美味しいチョコレートを苦くしているんだって……。 『大きくなったら、美味しくなるかもしれないよ』 そうは言われたけれど。やっぱり、ダメなものはダメ。確かに大きくなってから、小さい時にダメだった食べ物が食べられるようにはなったけれど。ビターチョコレートは未だに苦手。それは、あの人によく似ているから。 「く、まだ、慣れねえか……?」 からかうようなその言葉。自分は大人だってことを、私が恋愛に慣れていない子供だってことを、思い知らされる。 「馬鹿……」 なんて……。チョコレートに八つ当たりしたって仕方ないのに。馬鹿だ、私……。 未だに苦いと感じるお子様な私の味覚。本当…子供だ。あの人はこういうチョコレートの方が好きなんだろうとは分かっている。レシピを片手に、これも未だに飲めないブランデーを効かせて。この味が分からない。レシピのとおりに作っているし、味見をしてもらったら、美味しいとは言ってもらえたけど。あの人に取ってはどうなんだろう。あの人に美味しいって言ってもらわなきゃ意味がない。 「苦い……」 ボオルに残ってるチョコレートをすくって舐めてみる。やっぱり苦手だ……。パットの中には完成されたトリュフが可愛く並んでいる。これをどんな顔で受け取ってくれるんだろう。考えるとドキドキする。そして、自覚する。あの人のことが好きなんだって……。 苦手なビターチョコレートに似たあの人。けれど、この感情を支配するのは確かな愛。嫌いになんてなれなくて。毎日、恋をしている。 ねぇ、このビターチョコレートの味が分かる日が来れば、私は貴方に近付ける? もし、そうなら、いくらだって食べるわよ。肌に影響がでない程度には、ね。 苦くて仕方ないビターチョコレートとこの恋。私が美味しいと感じるまでにはどれくらいかかるんだろう……。 |
実はコレが最初に書いたVD創作。なもんで、天使の方があまあまに……。
たまには原点に返って、大人と子供に悩むコレットを思いまして……。
|| <Going my Angel> ||