| ショナもルノーも不器用な方ではない。だが、ある一定の基準に達しすぎている大人達から見れば、おぼつかないように見える部分もある。例えば、ナイフの使い方だとか。 しゃりしゃり……。器用な手付きで梨の皮をむくカーフェイに二人の子供と小さな天使の視線が集中する。 「すごいね、無駄がない……」 途中で途切れることなくむいていく皮。 「伊達に刃物は扱っちゃいねえからな」 彼は子供の面倒見が良いわけではないが、梨をむくショナやルノーの手付きの怪しさに見かねて、取りあげたのだ。 「刃物を動かすんじゃない、梨を動かすんだ」 「む、難しくない?」 「ま、慣れるまではな」 そんな会話の間に綺麗に一つを向いて、四等分して、一切れは自分で食べてしまうと、カーフェイはショナにナイフを渡した。 「やってみな」 「うん……」 おぼつかないながらにも、ナイフではなく、梨を動かしながら、ショナは梨をむいてゆく。 「次はお前な」 「ぼ、僕……?」 不安そうに言うルノーにカーフェイは当然と言った顔。 「……」 くいくいと、アンジェリークがカーフェイの副の裾を引っ張る。私は?と大きな瞳が訴える。 「ア、アンジェ……」 やりたがるのは当然だ。だが、カーフェイは表情一つ崩さない。 「ルノー、手を貸せ」 「え?」 戸惑うルノーと天使の手を取って重ねさせる。少年の手と紅葉のような小さな天使の手には当然格差があって。 「せめて、この大きさにならないと危ないから駄目だ」 「……」 その後、梨と自分の手を見比べて哀愁の溜め息をつく小さな天使の姿があったことは言うまでもない。 「な、何だか可哀想じゃない……」 「あの手でナイフが持てるか」 ナイフ一本で戦場を渡り歩いた傭兵経験の持ち主でもあるカーフェイの言葉はある意味重みがあって。誰も反論できない。 「いや、それ以前の問題で、梨を持てないだろう……」 天使の哀愁の姿は梨の季節の間は続くことになりそうであった。 |
カーフェイは厳しいでしょうw レヴィアスはナイフなんて持たせないだろうから、褒められるだろうしw
‖<Angel Days>‖