| はむはむはむ。 「〜♪」 幸福そうに小さな天使は目の前のカップケーキを食べている。 「ア、アンジェリーク。お、美味しい?」 「♪」 ルノーの問掛けにアンジェリークは小さな翼をぱたぱたさせて、肯定の意を表す。言葉を離さないコの小さな天使はその分、全身で感情を表現する。 「よ、よかった……」 レヴィアスの部下で最年少のルノーは在宅でできる書類作成とアンジェリークの世話を任されている。自分より小さな天使の面倒を見ることで、少しずつしっかりしつつあるようだ。 「あ、美味しそう。もらってもいい?」 ぱたぱたと旅支度姿のジョヴァンニはそう言って、二人に聞いてくる。ジョヴァンニは今日から海外出張なのだが、なにやら不手際が出張先であったらしく、食事の準備もする暇もなかったのだ。 「アンジェ、いい?」 「♪」 にっこりと笑いながら、アンジェリークハジョヴァンニにケーキを差し出す。 「ありがとう。うん、甘くて美味しいや」 「♪」 美味しいものを分かち合うのは幸せである。だが、そんなアンジェリークにジョヴァンニは悪魔の笑顔で言った。 「でもね、太るよ。こんなに甘いのばかり食べてちゃ……」 「!」 途端にアンジェリークは硬直してしまった。 「丸々してて飛べなくなったら、みっともないよね〜。レヴィアス様も重くて、だっこ出来なくなるかも……」 くすくす笑いながら、もう一つカップケーキを手にとる。 「そうならないように、協力してあげるからね」 そう言って、立ち去るジョヴァンニを見送ることなく、ルノーはショックに固まっているアンジェリークを必死でなだめようとしていた。 そして、レヴィアス帰宅後の夕食の時間。 「どうした、アンジェリーク。今日はお前の好きな野菜のスープだぞ?」 「……」 レヴィアスがいくら勧めても、アンジェリークは口にしない。 「どうしたというのだ? ルノー、何があった?」 「じ、実は……」 夕食を食べたがらないアンジェリークを不信に思い、ルノーを問いつめたレヴィアスであったが、当のジョヴァンニは海外出張に行っていたので、どうしようもなく、天使の機嫌を取り戻すのに必死であったことは言うまでもない。そして、そのとばっちりは部下達に向けられたことも言うまでもない。 |
久々の天使なのですが、何ていうか。変わんない人たちだ……。
‖<Angel Days>‖