いつも家の中に閉じこもってばかりでは小さな天使がかわいそうで。真っ白な羽を十分に隠すケープを手に入れたアリオスはさっそくそれを活用することにした。
「♪」
 桜にはまだ早いが、梅の花が見頃になっている。アリオスは梅の名所になっている公園にケープを着せた小さな天使を抱いて連れて行った。
「綺麗だな」
「〜♪」
 紅白の梅の花はよい香りもする。小さな天使はご機嫌でたまらないようだ。
 しばらくは梅の観賞を楽しんでいたが、小さな天使は少しばかり切なげな顔をし始めた。時計を見ると、昼食の時間。
「ああ、アンジェ。腹がへったか?」
「……」
 こくこくと頷く。ちょうど梅林の近くには色々と屋台が出ていて。当然ながら座れる場所もある。
「じゃあ、何か食うか」「♪」
 アリオスの提案に小さな天使は手足をぱたぱたと喜びの意を表すかの動かした。
「あら、お父さんとお花見なの〜。お嬢ちゃん、良かったわね〜」
 ベビーカステラを買おうとしたら、売店のおばさんにそう言われてしまい、アリオスは複雑になったが、ベビーカステラをおまけしてもらった小さな天使は上機嫌のようだ。
「あとはリンゴ飴とわた飴だな」
 ふわふわのわた飴を見て、小さな天使は不思議そうな顔をする。
「アンジェ、あーん」
「♪」
 ふわふわのわた飴に小さな天使は幸せそうに笑った。
「リンゴ飴は…姫リンゴとイチゴ飴にするか……」
 どちらもサイズは小さいため、小さな天使が手に持てるものをと考えたら当然ながらそうなる。
「姫リンゴとイチゴ飴を一つずつ」
「あいよ!」
 お金を払って、姫リンゴのリンゴ飴とイチゴ飴を受け取る。
「ほら、アンジェ」
 アリオスは小さな天使に差し出したが、小さな天使は不満そうな顔をする。
「いらないのか?」
 その問い掛けに首を振るが、小さな天使の視線は通常サイズのリンゴ飴に向けられていた。
「重くて持てないだろ?」
「〜」
 紅葉のような小さな手とリンゴ飴を交互に見て、小さな天使は悲しそうな顔をする。
「大きくなったら、好きなだけ食わせてやるから、今はこれで我慢しとけ……」
「……」
 しょんぼりと肩を落とす小さな天使に帰り道で結局通常サイズのリンゴ飴を買うアリオスであった。

最初は桜のお花見を書こうかと思ったのですが、まだ早いので梅を見に行くことに。…花より団子な天使ですしw


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