「小さい頃、クリスマスケーキの大人食いってやってみたかったのよね〜」
「私はレディ○ーゲンの大人食い〜」
 勤務先の病院でナースたちがそんな会話をしているのを聞いたアリオスは思わず胸が焼ける思いがした。大人食い…つまり、そのままホールのケーキや大容量のアイスクリームを食べることなのだ。
(女って言うのは……)
 甘い物は別腹だと世の女性たちは言うけれど、全く持って理解できない。甘いものを好まないゆえになおさらである。これがアルコールなら、また話は別なのであるか。

 それでも、クリスマスに帰宅する時に5号サイズのホールのクリスマスケーキを買ったのは、家で一人アリオスの帰宅を待つ小さな天使に喜んでもらいたいがゆえ。食べ切ることは無理だろうけれど、おなかいっぱいに満足するまで食べられるだろうと思ったのだ。
「♪」
 案の定、小さな天使は羽をパタパタと羽ばたかせて、喜びの意思を見せる。そんな小さな天使にアリオスはフォークを手渡した。
「?」
「これは全部お前のだからな。好きなだけ食ってもいいぞ」
「?!」
 よほどの驚きなのか、つぶらな瞳を見開いて、いいの?とアリオスを見上げて来る。
「お前のために買って来たんだからあたりまえだろう? 食い切れなかったら残してもいいから、好きなだけ食っちまえ」
「〜♪」
 さらに羽をパタパタと羽ばたかせて、至福の笑みを浮かべて、小さな天使はケーキを食べ始める。その表情を見ていると、アリオスも幸せな気分になれる気がして。小さな天使が美味しそうにケーキを食べるのを見守っていた。


「〜♪」
「……」
 心行くまでケーキを食べた小さな天使はそれはそれは至福の表情を浮かべている。アリオスは苦笑しながら、空になったケーキ皿を見下ろす。小さな天使はそれはそれは幸福そうにケーキを丸ごと食べ切ってしまった。もちろん、サンタのおうちも何もかもである。
(別腹以前に、異次元に通じてんのか?)
 赤ん坊サイズの小さな体のどこに入るのか。考えれば考えるほど、理解の範疇を超える気がして来る。
「美味かったか?」
「♪」
 それでも、小さな天使がそれはそれは幸福そうに笑うから。それな満足してしまう自分がいる。
(今度はレデ○ボーゲンにしてみるか……)
 そんなことを考えつつも、アリオスはクリスマスを小さな天使と幸福に過ごすのであった。

どこに入るんだろう、私にも謎ですw


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