| ピンクの毛糸の帽子は小さな天使の栗色の髪によく映えている。お揃いの色の手袋はボンボンが付いた可愛らしいミトン。 「ほら、アンジェ」 そう言って、手を差し延べれば、小さな天使はぱたぱたとアリオスの元に飛んで来る。 「♪」 外の空気は冷たいけれど、アリオスの腕の中は暖かいから。ギュッと抱き着く。小さな天子から伝わるぬくもりに、アリオスも笑みをこぼす。 「ほら、雪だ……」 「♪」 きらきらとした瞳で、雪が降る空を見上げる。ミトンの手袋のままで、雪を手に取ると、ふわりと解けてしまう。 「……」 「仕方ないさ、かき氷だって口の中に入れたら、解けちまうだろ」 アリオスの喩えに小さな天使はそうなの?と小首をかしげる。そして、寂しそうに雪を見つめていたかと思うと、ギューッと強く抱き付いて来た。 「アンジェ?」 「……」 次にはぺたぺたと触り始める。その意図に気付いて、アリオスは苦笑しながら、小さな天使を抱き返す。 「馬鹿だな、俺は消えねえよ……」 そう告げてみせても、小さな天使は満足できないのか、アリオスの首にしがみつき始めた。 「馬鹿だな……」 消えてしまわないかと不安になるのは、むしろ自分の方なのに。小さな天使が自分を必要としていてくれることがひどく嬉しかった。 |
寒いのに、雪が降らない。それで、何となく書いてみました。
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