| 真っ赤に熟したさくらんぼを手早く洗うと、水を切ってから皿へと盛る。 「アンジェ、待たせたな」 アリオスの言葉に小さな天使は首を振る。 「ほら、さくらんぼ」 「♪」 甘ずっぱい初夏の味覚に小さな天使は嬉しそうに羽をぱたぱたとさせる。 「ほら、あーん」 「♪」 餌を待つひな鳥のように口を開けば、アリオスが口の中にさくらんぼを放り込んでくれる。甘酸っぱい味が口いっぱいに広がる。 「〜♪」 美味しそうに食べる小さな天使にアリオスも満足する。輸入ものの桜桃は色が強く、どちらかといえば、甘すぎて。アリオスはあまり好きではない。多少値が張っても、国産のさくらんぼの方がいい。まして、この小さな天使に食べさせるのなら。より美味しいものを食べさせてやりたい。 「ほら、もっと食ってもいいぞ」 「♪」 二口目も口に入れてもらうと小さな羽をぱたぱたさせて。ひとしきり満足すると、小さな天使はさくらんぼをつまんで、アリオスに差し出した。 「食わせてくれんのか?」 「♪」 アリオスの問い掛けに小さな天使は満面の笑みで頷く。アリオスが口を開けばおずおずとさくらんぼが口の中にいれられる。味わえば、程よい甘酸っぱさが口内に広がる。 「美味いな」 「♪」 嬉しそうに小さな天使は二つ目を差し出して来る。それをありがたく相伴に預かり、アリオスも小さな天使にそれを食べさせる。 甘酸っぱいさくらんぼはとても美味しい。まして、この小さな天使が喜ぶのなら。 そうやって、二人は初夏の味覚を十分に堪能した。 |
さくらんぼは国産のがすき。そういうわけで、書いてみました。
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